しゅごキャラ! 第3話「サクッとふわっとスゥにおまかせ!」

 キャンディーズメムバー揃い踏み。
 切るつもりがずるずると視聴してます。ガキ向けのアニメに一々つっかゝるのも大人げないのですが、まぁ以下はネタとして楽しんでいただくとありがたい。
 日常クールキャラで押し通している日奈森あむ。クラスの友達と仲良くなりたいのだが、その性格のため軽くハブられ状態。ちょっとさびしい気分でいるあむの心の隙をつくガーディアンメムバー藤咲なでしこ。ともだちになるだの、アイドル唯世くんとお近づきになれるとの大勧誘。さっそく明日のセミナー唯世くんの家へのお誘いを受ける。半ば強引な藤咲のリードで、早速手土産をつくることになる。アイドル宅訪問と友達と言う響きにすっかり取り込まれてしまっている日奈森あむ
 手土産づくりはもう作るものが決められており、そのレールを走ることになる。途中邪魔が入るが、なんとか機転を利かせて手土産自体は用意することに成功。帰宅して包装を考えるが、周囲の誘導により社会人としてはあまりにも恥ずかしい忠誠メッセージを入れた土産を作ってしまうことになる。
 待ち合わせでは、アイドル本人が出迎えるというサプライズがあり、間違って渡すはずのない手土産を渡してしまう。そのまゝ帰りゃいいのに、アイドル宅に侵入して取り替えることをそそのかされて実行することに。結局アイドル宅ではお約束通り見つかってしまい、アイドルと秘密を共有するなどのテクニックを駆使され、見事ガーディアンのメムバーになる。
 って、まんまカルト宗教勧誘そのまゝジャンということで。一般人はしゅごキャラを持っていなくて、ガーディアンメムバーは持っているってのは、特権階級が権力をもっているのと同義と見なせる一方、日奈森あむが3つも持っているのはちょっと特権階級のみってのとは違うような気はする。あむの父親はカメラマンで母親は雑誌のライターだから、売れてなきゃむしろ非正規雇用の下層民(=まんまフリーター)ってトコだしな。まぁ金や権力はなくとも、能力は持っているという構造なんだろうか。しゅごキャラをもっているからといっても、実際に変身できて人間にはできない特殊能力を発揮することができるのはあむだけらしいし。
 昔から小学生がなりたい職業は?というアンケートがなされていて、そういや最近あんまり見かけないなぁと思っているのだけども、ちょっと前までは公務員が上位にあって、ガキの癖に夢がないなぁという風潮だったのだが、どうなんだろう?。もちろん公務員と答えたからと言って、具体的に公務員が何をするものか分かって希望しているのとも違っていたしなぁ。むしろ宇宙飛行士とか野球選手だのと答えてくれたほうが、実現性の有無はともかく、何をするのか分かって希望しているだけに救いようがあったよな。んで、「働いたら負けと思っている」の発言が人口に膾炙したように、もう何になりたいとかいうレベルにすら達してなくて、学校ではお客様扱いでやりたい放題の児童生徒生活をただただ満喫したいという状態になっているんだろうか?。そんでやれ小学生からの自分探しをさせる必要があると。それならまだ、昔の魔法少女モノのほうがいろんな職業人に変身していたワケで、そのほうがよっぽど選択肢を提示することになると思うんだがね。
 エンブリオというものが願いを実現させる究極のアイテムとして説明がなされました。“胚”というわけで、それは受精から孵化までの生物の状態を差す。人間で言うところの受精が誕生、孵化が社会に出るということであれば、エンブリオというのは、まさになんにでもなれる可能性を秘めた視聴者自身のメタファー(=日奈森あむ)ではあるので、以後のあむのドタバタを繰り返しての成長を通じて、視聴者自身なりたい自分を見つけてくださいとかがメッセージなんだろう。
 で、そのあむが、あくまで身近な友達との親交を通して成長するとか、対等な人間関係について学ぶとか、よりみんなの幸せに繋がるような職業なり自分のあり方を見つけていくってのじゃなくて、あくまでガーディアンという選抜エリートとして有利な立場に立った上で自分探しをするってのはどういう了見だ?と思わざるを得ない。金持ちサークルの中でどのように特権階級に認められて、ほんでもって自分のやりたいことなり地位を獲得していくか?って物語だったら、なんかもう格差社会バンザイって感じで開いた口が塞がらないというか。今後どのように展開するかなんてわかんないんですけど。
 というわけで、どないでした?。もう偏見バリバリでネタ感想としてみましたが。まぁ上記ほど偏らなくとも、舞台が金持ち学校らしいってトコから胡散臭いってのはあるんですけどね。現代社会の閉塞した状態もあり、自分がなにをやりたいかそもそも子供自身にとってわからなくて、その鬱憤だかやり場のないもやもやをイジめという形にしているという面もあろうから、今、「周囲のことについて充分配慮しましょう」なんて言ったって、自分がしっかりしていないのに他人に思いを至らすことなんてそもそも無理という状態なんでしょう。過渡的な居場所に過ぎない学校という場で、その場にしか通用しない上下関係に汲々とするより、まず自分が何者かをしっかり把握して、何になりたいか目標を定めて、その上で他人との適度な距離関係を学んでいくってほうが確かに有効なのかもしれない。だからこそ少々物語的に自分勝手な側面が強くても、とにかく早いうちに自分探しをやっとくべきってのがこの作品の主張なのだとしたら、それはそれでアリなのかもとは思っている。
 うーん、原作を早く読んじゃえって感じですかね?。今期に入ってチェックする作品が減ったのでうだうだ見てしまってますが、継続視聴したいというほどの作品でもないんですわ。