もっけ 第2話「ナガレイズナ」

 今回はイイはなしだ〜。
 フェイントか?。物の怪だからといって悪さばっかりするものでもないと。というか、本当にイズナがいなくても話が成立するのが秀逸。瑞生がいみじくも最初に述べていたとおり、彼女自身の認知願望が大元であって、みんなに認められたいという気持ちが感覚を研ぎ澄ますきっかけとなり、たまたまいろんな幸運も重なって自分の興味も増していくうちに周囲が見えなくなって総すかんを食らう展開と言われても、それはそれで納得がいく。
 原作でどうなっているのか結構気になるんだが、大人になってみるとトンネルの向こうにまで調べに行くってのが、例えば仕事上本当にやらねばならないのかどうかってのはかなり微妙なところで、しかし実際に取材しなくとも新聞に掲載されていることから、物語的には瑞生の勇み足になっている。だからといって視聴者的には周囲の友達が単に臆病風に吹かれているようにも見えるのが面白い。もし日が高かったのなら瑞生寄りになるし、真っ暗だったら友人側に理がある。たぶん夕方に設定しているのがかなりいいバランスなんだろう。あそこで強行していたら帰りは真っ暗になる事は必定だし、そうなると取材でみんなが満足できていれば楽しい思い出で終わろうが、特に今回のように瑞生が突っ走っている設定であれば突き上げを食らう展開にもなる。じいちゃんがいないという設定も絶妙。場面場面での状況設定が細かいんで、いろいろ考えながら視聴するとかなり楽しめる。
 そして最後にイズナが見えていたらの回想シーンが泣かせますねぇ。おねぇちゃんにイズナの姿を書いて見せてもらっていたぐらいなので、瑞生にはずっと見えていなかったわけで、で見えていなくってもイズナのほうをちゃんと向いて話をしていたという絵作りがまた泣かせるのですよ。前回から引き続いての瑞生の性格説明にもなっており、かなり芯の強い作品だなぁと思います。
 で、説話の〆もなされておりましたし、話の構成としてケチのつけようもないすばらしさ。なんか第2話にしてこの完成度ってのは気味が悪いぐらいなんですが、こりゃ期待を大幅に裏切る出来のよい作品かもしれませんなぁ。