機神大戦ギガンティック・フォーミュラ 第7話「運命」

 死人は出すんだ…。
 パイロットとトランスレータの適合が悪い現場に出くわすと、都合よくその原因を二人の記憶から探り出して見せてくれるってどんなご都合主義システムなんだ!というのはさておいて。ホモネタになりそうな場面は女が見て、男と女のペアは男が見るってのも同人が好むネタの傾向としてもなるほどとは思った。
 結果として、同じ女に恋焦がれる男の友情よりも、貧しい民に尽くす二人に花を持たすってのがスタッフの意図なんでしょうかね?。より公平な意図をもつものに勝利を与えるのがギガンティックの意図だと見抜いて、己の不純な気持ちに参ってしまう真名*1って見方でOK?。真名には他に思い人がいて、中学生(というかお子ちゃま)らしい純真な心で気遣ってくれる慎吾を騙すような後ろめたさを感じているってのがなんともターゲット層がもう中高生でないってことなんかな。
 あとはUNが、勝者を発表するのでなく「誰が負けたのか」ということを問題にしていたのが面白かった。しかし、負けたほうが素直に勝者に協力するってのは、ちょっと今の感覚では理解できないわな。そういう時代ではないという設定なんだろうけど、それじゃぁこの作品のほとんどのキャラクターが人間がそんなにできていないってのがどうもね。むしろ人間が出来ているのは中央国の李夫妻が一番*2だったりするのはどうなんだろう?。
 まだまだ即断はできないのでアレなんだが、いろいろ気になる点はあるにせよ結構面白いな。しっとりとした落ち着きが感じられるっていうか。そりゃ怒涛の展開を期待している向きには物足りないこと夥しいのだろうが、ロボットデザインを多数のデザイナーに任せるって仕事っぷり自体が大人向きって感じがするね。
 しかし大人の鑑賞に堪えられるのかどうかといったら微妙だわな。正直ドラマはハズレ率が多いので(そんなに触れてもいないから即断は禁物なのだが)、メッセージ性で言うとドラマよりはアニメのほうが優れているのかも?と思っている。が、世間的にはやっぱりドラマは全年齢層向きで、アニメはお子ちゃま向き(というか大の大人が見るべきものではない)という意識が強いと思う。大人をターゲットとするためにいろいろ試行錯誤している作品なんだと思う。やっぱ表に出てくる評価はロボットガチャガチャの部分だったりするわけで、じゃぁそこを無視してドラマの部分に注力したって見てももらえず、ではロボットバトルの部分に注力するとストーリー部分が弱くもなるわけで、スタッフもそこらへんの匙加減、もしくはいろんな要素の配置に苦慮しているんではないかと妄想してしまう。

*1:対中国戦で勝ったのは慎吾の「人を守りたい」という気持ちであって、真名の動機はむしろ対中戦では負けて当然って分かったのだとするとさもありなんですわな。

*2:不意打ちに近い形で攻めてきたのは、まぁあれは命令だったということだとしても