英國戀物語エマ 第二幕 第5話「抱擁」

 会場に入るとき、明らかにウィリアム母よりエマのほうが注目を集めていた件について。
 感動の再会なんだけど、どうにもウィリアムには感情移入できない。まぁ題からして主役はエマのほうであって、エマに瑕疵がないのはわかるんだけどね。前回も言った通り、かなり典型的な身分差の恋という昔ながらのテーマなわけで、身分が低いがゆえの教養・知識のない女像ってのが排除されているのは、見ていてマイルドではある。
 ヴィクトリア調だの、繊細な表情を読み取るぐらいしかないと思っていたのだが、それだけでもないのかな?。エマ自体はどうやら作者の提示する理想の女像って感じがする。男側から見ても、昨今自己主張の強くなった女のアンチテーゼとして存在しているし、増加しつつある貧困層向けに質素な生活を好むって感じですかね。女側から見ても控えめで質素なところは好感が持てるのだろう。恋のため他のことに気が回らなくなって周囲を振り回したりしてないしな。(今のところはという注釈はつくが)ウィリアムがヘタレなのも手伝ってはいるが、「こんなつまらない女なら、いっそのこと私がヒロインに成り代わってステキな恋をしたい」という視点は排除されている模様。
 しかしなんだなぁ、ウィリアムの父もエレノアの父も本当につまらん男として描かれてしまってるなぁ。