Pumpkin Scissors 第12話「見えざる痛み」

 なかなか真剣に作っておりますな。
 胸がすくやら胸が一杯になるやらで視聴者としては感情のジェットコースター状態でした。ただ言われた仕事をこなしているだけの暗殺者が伍長に殺される寸前は、それを肯定しちゃってましたし。確かに少尉の言っていることもわかるが、セシルのやり場のない怒りともあきらめともつかない感情もわかる。セシルの捨て台詞は嘲笑だとは思うんだが、民衆の自己改革の絶望さも含んでいるのかと初めは思ったよ。
 今回はハンクス大尉の物言わぬ思いが切々と感じられた。たぶん本人はある程度のことは掴んでおり、事実を秘匿しない方向での機会をずっと狙っていたと思うんだが、新聞記者をはじめセシルやら関係機関の方々など軽率な行動を場当たり的ににとるキャラたちに振り回されたという感じなんだろうな。成長を見せたのか、吶喊少尉のほうがキレイ事を言いながらもまだ慎重に行動していたのが救われる。一昔前のキャラなら原稿片手に関係諸機関に突撃をかけそうだもんな。かつてのマーチスのように。
 しかし架空設定であるとはいえ、これだけマスコミを揶揄する表現を含んだ作品をよく放映したなぁと思ってしまいました。原作にもあるんだとは思うが、キャラに背負わせてここまで好き勝手言っていいのか?と不安になりながら視聴してました。視聴率数%(もしかすると小数点以下かもしれませんが)の世間的価値が低いといわれているオタ向け作品で、しかもそれなりの読解力がある層の影響なんて誤差の範囲なんでしょうな。自分を押し殺して仕事をしているマスコミ関係者へのエールとも見受けられるし。