天保異聞 妖奇士 第1話「妖夷、来たる」

 ということで、腹を括って視聴してみた。第2話を見てしまっているのでちょっとばつの悪さを感じないわけでもない。
 これもとにかく事件に巻き込ませることで物語をドライブし、細かな説明紹介はあとを追わせるという感じがする。気になったのは漢字の解釈。エンドロールにもある通り、白川静の漢字学が意識されているが、この時代の通説はむしろ「説文解字」ではなかったかと。双方の解釈の一致しているところのみを題材としているのかもしれないが、「字統」をひもとく気持ちはちょっとしないなぁ。まぁそもそもあの時代には甲骨文字の存在すら知られていなかったはずなので、そこらへんファンタジーと割り切るしかないだろう。江戸時代の風俗自体については熱心に勉強しているような気がする。正しいかどうかは別にして。というか私自身正しいかどうか判断する基準を持たない。
 物語としては至極まっとうな気はする。現代とも繋がる視点はありそう。さすがに水野の改革が小泉の改革と繋がるとも思えないんだが、先の見えない世相は意識していると思う。もうちょっと視聴を続けてみてこの物語がどういう方向性なのか見極めてはみたい。