幕末機関説 いろはにほへと 第11話 一座ふたたび仮櫓

 榎本@中多和宏ってよく聞いたらウィッチブレイド和銅の声をやってる人でした。榎本ってギラギラしてた人なんだろうか。
 霧とともに現れる巨人がなんのメタなのかよくわかんなかった。実体がなくて、攻撃だけ当ててくる、火に弱い(火が何のメタかということもあわせて考えなきゃならないとは思うんですが)ということなんだが、なんだろう?。中居屋重兵衛のような人間は死んでも何度もよみがえる、というかヤツのような人間はたくさんいるということでもあるんだろう。
 遊山一座がなんらかの公的機関なのかと頭の片隅に入れていたのだが、どうもタイトルの幕末機関説の機関はそういう意味ではないらしい。いわばタイトルは天皇機関説でいうところの機関、すなわち役割ということらしい。幕末のあの混乱自体がなんらかの装置として働いたと。
 キャラが茨木のシナリオ通りに動いてしまっているというのは薄気味が悪くもあるのだが、まぁこの作品がそもそも芝居がかっており、視聴者に対する読み聞かせという体をとっているので不思議はない。またそれこそCLAMPの好きな主張「世の中すべて必然」とか、運命論みたいな形をとっているだけと思えばそれはそれでアリだとは思う。ただスカっとしないんだよね〜。そしてそのスカっとしないのも、スタッフはスカッとさせる方法を知っているのにそれをしてこないということなんで、視聴者に対してなんらかの考えるきっかけを与えているという冷静な判断だと思う。いかんいかん、どうしても自分自身が物語のフォーマットに従って観客として楽しませてくんなきゃヤダという思考が抜けてないな。いや、捨て去る必要もないが。アレほど動員重視の煽動型ハリウッド的手法を毛嫌いしているというのに。いや、ハリウッドのすべての作品がそういう手法を使っているとも言えないし、とにかく動員して観客に見てもらえなければ、その中に埋め込んだメッセージも伝わんないだろう?とも思うので、すべてを否定したいわけでもないんだが。そもそも観客は小難しく考えるために映画を見に来るわけじゃないだろうしな。
 絵もあいかわらず素晴らしい。OPを見ると遊山と秋月が最後に対決するように見えてしまうんだが、これからそういう展開に入っていくんだろうか。