機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第47話「ミーア」

 正直この回は時期外れの総集編だろうなと全然期待していなかったのですが、大間違い。
 ミーア視点で語られる主張はまさに誰でもが陥りやすい感覚の描写として説得性がありました。また、次回からの展開と今までの流れの接点として、考えを整理するのに非常に適切。たぶんこの回がなかったら次回以降の展開が混乱すると思われます。「なぜにいまさら総集編?」と私だけでなく他の人も訝しがったと思うのですが、私自身はこの総集編の必要性がわかったような気がします。
 終盤時間が余ったのをどう使うのか、これまた疑問に感じておりました。デュランダル議長の去勢計画実行案が解決策として適切かどうかはまったく別問題として、彼が主張した“本当の敵”の演説は至極真っ当でした。展開としてはロゴスを倒して実際に成果を上げているのはデュランダル側で、大衆にアクセスできておらず実行力が評価されていないキラ(オーブといっていいか?)側の説得性が物語の中ではないというところでしょうか。物語の外側にいる我々もどちらが正しくてどちらが間違っているか安直に判断できない、どちら側も善悪の両面を兼ね備えているという展開は正直唸らされました。
 追記 今まで80ほどのサイトをはてなキーワードでチェックしてみたのですが、これまた評判が悪い悪い。2〜3ぐらいでしたか、好意的だったのは。エウレカのときもそうでしたが、サンライズがまじめな提言をすると拒否反応に遇う傾向があるんでしょうか。残り3話を見てみないとわからないところはあると思いますが、少なくともロゴスを倒した時点でこういう話をやっとくのはそんなに悪くないと思うのですが。さすがにこれからの話のたたみ方を考えると最終回から数えてもっと前にやっとくべきだとは思いますけど。少なくともキラ・アスラン視点のあの総集編よりは重要度が高いような気はする。