メインターゲットと思い出っぽいもの

 今の中高生のSFに対する興味はどうなんだろう。宇宙に進出するためには莫大なエネルギーが必要であり、そのためには途方も無い資本力がいるけれども、世界経済が行き詰まりを見せている現在、宇宙開発への際限の無い投資なんて期待などできません。そう、世間的にも宇宙開発に対する興味は下火気味です。最近の中高生ってSFに興味が無いんじゃないかと思っています。マスコミによると中高生は理数系の科目には興味が無いなんて言っているようですし。
 自分はガンダムは嫌いではないんですが、世間的にはSFチックな設定より、ロボットを媒介とした戦いに注目が集まっているみたいだし。ストラトス4も見てましたが、自分はストラトス0を完成させるくだりやエンジンの燃焼実験の回などすごく感動して見てましたが、主な支持層は主人公に対する萌えに重点があるみたいだし。
 自分なんかは人間の英知の果てに何かを達成するということにすごく魅力を感じているんですけど、最近は単純に異性に欲情するのがトレンドなのか?人間同士がよりよい関係を築くことについて異論は無いんだけど、そういう社会的なものに対する人間のあり方というのがあまり省みられることなく、あくまで人間の欲望を効率よく満たすにはどのように振る舞うべきか?という風に動物的になってきているように思ってしまいます。このままだと世の中が殺伐として、お先真っ暗な感じがしてならないのですが。物質的な豊かさがよりよい社会の形成に寄与するものではないことがわかった以上、技術を発達させて便利なものを作ることにどれだけの意味があるのか自分自身答えが見つかっていません。だから偉そうにも言えないんですけどね。
 国家が威信を賭けて採算を度外視して開発競争をする時代でもありませんし、そうする必要があるとも思っていません。現状ではいかにコストを下げて宇宙に飛躍し、宇宙から有益ななにかを引き出してくるという流れになりつつあります。宇宙開発は昔ほど派手なものではないものの、身の丈にあった方法で少しずつでも歩みを見せているのはうれしい限りです。もしかすると今の中高生はこのような宇宙開発のあり方をせせこましいとでも思っているんでしょうか。私が中高生のときのような妄想にも似た盛り上がりを期待できないので、そう感じても無理からぬことだと思ってしまいますが。でも惚れたはれたの背景にしかSFの生きる道は無いんだろうか?いや、恋愛のときめき・せつなさも悪くはないんだけどねぇ。
 スターシップ・オペレーターズは萌えの支持層をSF方面に引き寄せる目的があって作られているんだろうか。それとも今の中高生にもSFファンはいて、彼らに対するプレゼントとして作られているんだろうか。こればっかりはちょっと自分にも想像ぐらいしかできませんね。スタッフの意図はどっちなのか(程度の差はあれ、両方だとは思いますが)、彼らがどう考えているにせよ、どんな結果になってしまうのかにも興味はあります。いや、本作品の目的は小説の販促であるのが第一義で、アニメ作品として売れればさらにラッキーってのはわかっているんですけどね。