第3話「コール・フロム・ホーム」内容

 人死にによる艦内の動揺から始まります。そしてやっと第3話にして敵の描写が入ります。これを書くために見直して気が付いたのですが、王国側でエルロイ提督だけは名前を言っていたんですね。初見のときは気付きませんでした。ひげ面、やさぐれ口ですが、王国側に寝返った(吸収された?)にしては重用されているところを見ると優秀な提督なのでしょう。でも詳しい描写は避けてます。味方すら十分紹介してませんので、敵はまだ詳しく紹介する時ではないのでしょう。
 ここから脇役?の詳しい描写に入っていきます。今回はアレイ、タカイ、サンリの三人になります。状況としては、前回の戦死者の影響を引きずって他の部署の人間(といっても乗員の補充がないのなら居る人間で手分けしなくてはならないのですが)が艦の修理に借りだされています。サンリがタカイに好意を寄せていることは1・2話ともに描かれていますから、アレイとタカイが密接に描かれていることでサンリの切なさ感が強調されます。フレア現象で危機到来。タカイの英雄的行動(感動)。また死者が出るのか(不安)?シントによる救出(安心)。うまく起伏をつけています。しかし艦内の動揺は収まりません。一触即発状態。
 そこに油を注ぐように王国の心理作戦が入ります。標的になったのはお父さんの説得になぜか否定的なお嬢さんサンリ。そういやなんで戦争なんかに不向きそうなおとなしめなこいつが残っているんだ?リオの描写。黒幕の一人なのは前回で明かされた通り。艦橋に戻されて集団内でも重要な地位を占めていることがわかりますが、よくよく考えると目立つように金髪・赤服になっており、キーパーソンだよというラベリングはとっくの昔にされているわけです。
 いよいよ今回の主役2人の艦に残った思惑が明かされます。アレイはタカイとあれほど接近していたのだからてっきり彼に好意があると思っていると、実は想いの方向先は養父だったわけです。アレイが今まで復讐にこだわった理由がここで落とし込まれるわけです。スタッフの意図的なミスリードでアレイの告白が際立ちます。サンリも(視聴者はわかってはいたでしょうが)ついに自分の気持ちを他人に明かします。二人の性格は対照的なのに、好きな男への想いという点では一致しているのがまた憎い演出なわけです。だがサンリのほうはまだ弱い。なので直後に「どれほど決意が強いのか」という場面になります。
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 「こんな形で心理作戦が破られるとは思わなかったでしょうね。」・・・いや、まったくだよ!


 スターシップ・オペレーターズがいかにアニメ化が困難で、それでも構成上よく考えられているかをとうとうと述べてまいりましたが、さすがの私もここにはずっこけました。ほかの乗組員たち、オマエらはこれで残るのかよ!
 ここまでくると、各員艦に残った思惑というのが全体で共有されない(にくい)ものだということがわかってきました。危機的状況であることに同情はするけど、各自奇麗事を言っているけど、結局たいしたことないんじゃん。世の中かくも美しく、かつ醜いものであると。
 今回は派手な戦闘こそなかったものの、心理作戦という一種の攻撃は受けていました。ここまでくると多様な敵に苦心して対応しているという形になっており、エヴァンゲリオンとちょっと似てるかなと思ったりもしました。いや、似てるからどうだ?っていう話ではなく、そもそも同じような敵が何度も何度も出てくるのはお話として飽きるだろう?ということで、結構ストーリーとしては定石だったりします。