ガッチャマンクラウズ インサイト 第4話

 なんか日本が欧米と変わらない階級固定社会だってことをあまりにスルーしすぎだとは思うが。
 気になったのはゲルサドラの言動。彼(彼女?)が善意の人だというのはわかるのだが、彼自身の持つ能力に比べて判断能力はどうなの?ってところ。みんなの気持ちを吸収してそれを把握しているってことは言わば前提条件だからそこに疑問を差し挟むのはNGだとは思うのだが、では正確に把握をしたという前提条件で、それをどう彼が分析し、判断したか?という部分についてはかなり留保が必要だと思われる。大衆というのは得てして現実を踏まえない夢物語的なものを主張しがちで、それをそのまゝ受け取っては非常に危険というか、ある手法は正の側面も負の側面もあり、それを採用したときに生じる負の側面を打ち消すために別の手法が必要で、その別の手法も正の側面もあれば負の側面もあって、そういう循環をうまく調節して極力負の側面を極小化するという手続きを現実にはとるべきなんだけど、ゲルサドラはそういう複雑な組み合わせを全部すっとばして極論に走っているという懸念が想像できてしまう。
 が、この作品で現実には決して実現しないことを描写しているというのは、たとえ極論であってもモデルケースを指し示して視聴者に思考実験をさせるということなのだろうから、中途半端にリアリティを追及されるよりは正しいアプローチのようには思える。そのへん前期を視聴しているとあまり驚きは感じないかな。どうせ空想絵物語なんだから精一杯思考実験してみるというのは面白いかも。