THE ROLLING GIRLS 第12話

 結局帰ったのは千綾だけなのか。
 なんだかんだいって終了。結局のところ自分が予想していた地方色を活かした地域おこしがテーマなのでは?というのは見事に大外れ。結局のところ、その地方色は舞台を彩るための演出程度でしかなく、昭和期によく見られたストーリー構成をもとに、「モブ」達に対する応援歌的な作品だった。この作品に社会的な問題意識はあるのか?と言われたら、まぁ価値の多様化を逆手に取られ、個人分断化を伴いつゝ格差が拡大していったこの世で、個人としては微々たる力しか持たないんだけど、でも社会を構成する最小単位として懸命に生きていきましょうや程度のものなのかと。まぁこの作品にはその上前をハねて美味い汁を啜ってる層はまったく描かれないんだけど、そういう上部構造を描かないのは逃げだとしても、それを描いたところでどうなるものでもなく、民衆の生き様を肯定的に描くことで生きる活力を与えようとしたのかねと思わなくもない。所詮それはガス抜きに過ぎないとは思うんだけど、本当のことを言ったとしても作品から明るさが失われてしまうので、そういう方針に決めたのならそれは正しい判断。
 半分ぐらい視聴し終えるまではこの作品が何をやりたいのかわからず、微妙な感じしかなかったが、作品に重たいテーマが込められておらず、人情話をフツーに楽しむものなのだと腹を括ったあとは楽しんで視聴してた。散々述べたことだが、おそらく昭和テイストなのが無意識にノスタルジーを感じさせていたのだとは思うが、そういう基礎がない今ドキの若い視聴者はどう感じていたのか気になるところではある。まぁ暑っ苦しいと感じられたゞけなんじゃないの?という気はするが、見かけや設定の素っ頓狂さに反して物語部分の骨格は基本を押さえているので、そんなに馬鹿にしたものではないように思える。バイクはともかく説教ロックを風味付けに選んだのは、まぁそりゃ製作側の趣味でしかないんだろうけど、芸能プロダクションが流行を作っていた時代からの変革期のものであり、再発見というか今取り上げることにはそれなりの意義はあるようには思った。
 でもまぁB級ではあるよね。おもろ。