ソードアート・オンライン Ⅱ 第14話

 いちおうシノン編解決。
 なんというか、郵便局強盗を返り討ちにした件で、人助けになってたから…という結末。とはいえ、詩乃は別に積極的に人助けをしようとしてやむなくというのではなく、母の命の危険を感じてという流れだったから、今一よくわからんといったところ。詩乃がさいなまれているのはあくまで人を殺してしまったことであり、人助けを無難にやり遂げられなかったということではないので、ヘンに真面目だと、結果的に人助けになったことに安心して人殺しをしてしまったことに少しでも免罪をしようとする自分を許せなくなるという段階に移行する可能性もあって、どうにも。狙撃銃を手放す描写があったから、呪縛から解き放たれたということになるのかな。少なくともGGOでの彼女の能動的な行動が彼女の精神的な負担を減らすのに繋がった…という流れではないので、なんとも微妙なところである。結局のところ、桐ヶ谷の指示で後始末に走り回った明日奈と里香はご苦労さんといったところ。GGOに潜入して殺人事件を解決する桐ヶ谷サイドでは、肝心の治安組織の不甲斐なさが目立って今一乗り切れなかったし、過去のトラウマを克服しようとする詩乃サイドでは、詩乃は徹底的に桐ヶ谷に助けてもらって解決につながっていくという、終わってみればキャラの自立性が弱い物語になってしまっていた。
 ヴァーチャルとリアルでの死に対する問題についても中途半端だし、最后に言われてた今生きている場所が現実という結論らしきものも、え?といった感じ。主人公群はそのヴァーチャルな世界にどっぷり依存していて、現実がヴァーチャルに振り回されているのにその結論はなんなの?といったところ。自分にはキャラたちに現実をよくしようと奮闘したり、現実の矛盾を解決しようとする姿は見えないので、そういった意味でどうにも乗り気になれなかった。そのへんA.W.は現実とヴァーチャルが不可分な世界に設定してあり、それはどーなの?といった保留はあるんだが、キャラのビルドゥングスロマンとして結構説得力があると思った。このSAOは、むしろそういうのを抜きにして、ヴァーチャルな世界はむしろ現実社会のメタファーだと思っていたからこそアインクラッド編に面白さを感じていたのだけども、回が下るにつれ辻褄合わせばかりうまくなってしまって、動画としての目くらましにしか魅力がなくなっていくように感じる。それっぽいテーマをでっち上げて深刻に考えるフリをするより、ヴァーチャルな世界の可能性を提示するとか、ヴァーチャルな世界の問題を取り上げるんだったら、解決方法はファンタジーになっても構わないから、もっと現実的なものを取り上げたほうがよかったのでは?と思った。少なくとも、詩乃の拳銃問題はヴァーチャルなところではなくリアルなところでの奮闘で解決させるべきだったように思う。というか、そうなっているんだけど、拳銃問題に関しては少なくともGGO全く要らないジャンかと。シノンがゲーム中でトラウマをキリトに話す→キリトが手を回して過去の関係者と対面させて解決ってながれだから、GGOは出会いの場でしかない。
 うーん、総集編を挟んで新章なんだろうけど、不安だなぁ。