魔弾の王と戦姫 第13話

 普通に大団円だったな。
 バートランの死で折り返し、もしかすると2期があるのかもという目で見てたんだけど、いやはや本当に終わってしまった。なんかあっけない。結局行方不明というもう一人の戦姫は台詞の仲でしか登場せず。基本この作品は戦況説明と結果、その合間にキャラの見せ場を挟むという形だった。
 うーん、なんだろ?、ダイジェスト風味で今一と途中まで感じてたんだけど、終わってみればこれはこれでイケるぐらいには感じてた。とはいえ、自分はこういうのはむしろ講談で生きるテキストだと思ってしまっていて、絵はそれほど重要ではないのでは?と考えていた。しかし、つい先日この作品のネットラジオを耳にして、そのなかでシリーズ累計120〜130万部売れたということなので、おそらく原作ファンにとっては、作品のキャラが絵になる方を熱望してたんだろうなと思い至った。文章を読むのだと、軍勢の迫力は感じにくいだろうから、そういうのは音も含めてアニメ化したほうが迫力がある。と考えると、アニメ化には意味があったと思うしかない。自分的には英雄叙事詩をでっち上げたぐらいだと思うが、場面場面で主人公に決断を強い、その形式は視聴者に訴えかける働きが大きい。
 最終回でエレオノーラが誇り云々言ってたが、これは危ういな。当然この作品世界での彼女の立場ではそう答えるのが正解なのだが、兵を率いる将としてゞはない武人や兵士は基本的に消耗品であって、戦って死ぬことのリアリティが希薄な現在の日本では、こういう語りはスポーツの概念に近い。そしてそういう刷り込みは例えば企業戦士として消耗させられる可能性が多分にあって、これからの均衡経済ではもっと命を惜しむべきなんじゃないかと思い始めている。が、それは確かに夢も希望も無い生き方と捉えられる可能性が大きくて、まぁそのへん受け取り方だよなという帰結かな。
 特に人に勧めるべき優れたメッセージ性があるわけでもないんだけど、かといって無難にまとまっていた印象はある。キャラクター性をウリにしてたと思うんだけど、終わってみればそれほどキャラクター性に拠って立つ作品に墜ちてはいなかったような気はする。おもろといったところか。