ソードアート・オンライン 第25話

 やはり現実世界に戻ってもキチンと落とし前をつけさせる展開だった。川原礫恐るべし。
 いやー、終わったねぇ。正直アルヴヘイムオンライン編というかフェアリィダンス編?っての、ちょっと自分的には物足りなかったんだけど、こうやって最終回を見終わってみれば、アインクラッド100層攻略って流れだと、フェアリィダンス編は、おそらくアインクラッド編が終わっていなかったと見ればなるほどゝ思ってしまった。要するに舞台を変えたアインクラッド編とでもいうべきか。直葉がクローズアップされて、アスナが表舞台から姿を消してたから別物語のように見えてたんだけど、キリト視点で見れば、攻略途中で奪われた姫を取り戻す寄り道ストーリーだったわけだ。SAOは職業社会のメタファーって部分が大きいってのは前に述べ、アルヴヘイムではその要素がほとんど見当たらないと思っていたんだが、よくよく考えると、キリトは同じスキルを使っているわけで、まぁこれも言うなれば同業他社に出向したキリトの物語とでも考えたら、やはり職業社会のメタファーって要素が濃厚って考えざるを得ない。が、そう考えるとなおさらアルヴヘイムはおまけクエストって印象が拭えなくなっちゃうね。
 で、最后まで引っ張ったのが、恋愛要素が大きい人間どうしの繋がりってとこだから、アスナとキリトの関係*1を全面に押し出している以上、厳しい現実社会を乗り越えていくのに、ベターハーフの存在は大きいという主張に見えてしまう。
 で、AWもネトゲが題材だったが、最后茅場がキリトに託した世界の種子に込められたMMO世界の可能性ってところもなんか物足りない感じだな。著者がそれなりに仮想現実社会に希望を持っていそうだと感じられるんだが、ボかしているせいか、迫るものはない。ないからダメかと言われると、そういうのをはっきり主張すると逆に訴求力がなくなるから、そうしなかったゞけ、雰囲気でもその人なりの考え方でもいゝから、関心のある人がそれぞれ物語から感じ取ったことを検討してみてくれってトコなんだろうね。
 というわけで、なんかキャラの絡み合いは結構泥臭いながらも、物語全般に感じられる透明感というか、汚れのなさがさすがネトゲの雰囲気かなということで、なんか別世界というか別次元の物語って感じがして不思議な感覚だった。キリトを通じて語られていることは特に目新しいものでもなく、見ている分にはフツーに心を動かされる。よくできてはいるんだけど、なんかこちらのほうで一歩引いた地点で冷静に見てしまっている自分に気付いてしまう不思議な感覚の作品だった。というか、おそらく自分は一周目視聴して、表面しかなぞってないんだろうなという感覚を持っている。何度か繰り返して視聴したほうがよさそうな気はする。AWとはちょっと毛色が違っていて、うまくいゝ表せないんだけど、おそらく新しい要素が盛り込まれているんだろうと思われる。フェアリィダンス編が自分的にはなんか奥歯にモノが挟まったようなスッキリしないものを感じたが、評価自体はおもろ+だ。〆はきれいに終わってたからおそらく続編はなさそう。原作は連載が続いているから、おそらく原作をあたった方がより深いものが得られそうな気はする。

*1:キリトが直葉に全然よろめかない描写だからなおさら