まよチキ! 第11話

 原作はもう終わってるの?。
 なんか不思議な回だった。宇佐美のバイク暴走だとか、しゃっくりだとか、唐突な話運びだなぁと思ってたんだけど、後から振り返るとちゃんと構成要素として働いているので妙に感心した次第。近次郎とスバルの仲が進展するようなしないような微妙な関係で推移するのにもやきもきさせられたし、スバルが執事を辞めさせられる下りに至っては、「そうきますか」なんてぼんやり思ってた。
 奏の扱いもちょっとしたもので、浮気って程でなくとも、彼女がなんか近次郎を見直すような雰囲気がなんとも微笑ましかった。彼女が階段で転ぶに至ったのも、別にスバルの想い人を奪うってわけではないんだけど、女として楽しんでいる様子が微笑ましいんだよな。まぁ彼女にしては浮ついた様子だなと思ってみてたら転倒。頭から落ちるような描写だったので重症にすんのか?、記憶喪失にしてネタ振りでもするんかな?と思ったりしたものだ。
 病院の屋上のやり取りから飛び出したスバルを追いかけた近次郎に、スバル父がなんのリアクションも起こさなかったので、奏だけでなく父にもある程度信頼されていたんだなと思いながらみてたんだが、歩道橋で倒れてしまうのを見て???と思ってたら、どうも次号予告を見る限り、スバルは女の子として学校生活を送るらしい。まさかぷにゅるというふざけた名前で転校してくるんかね?。てっきりスバルは執事のまゝ、この作品はドタバタが続いていくと思っていたのでなんか意外も意外。OP動画では終わりのほう確かにスバルは女の子の姿でいる時間が長くなっていて、ちゃんと話の構成を表すものとなってはいたんだよね。でも自分的にはスバルが仮に近次郎とくっつくようなことになっても、奏の執事というか右腕ポジヽョンを失うことはないんだろうなと思っている。
 近次郎も、おそらく薄々スバルや宇佐美の気持ちを知っていると思うんだけど、今回の奏のアタックに対する対応を見ても、いちおうすべての女の子に対して距離をとっているような描写になってるね。女性恐怖症といっても別に彼だってフツーの恋愛を拒否しているってわけでもなさそうで、でも一線を越えませんよという自制心があって、今回奏もそういうのを見てしまったがために浮かれてしまったんだろうね。奏の描写もおもしろくて、いつも場を支配するような行動をとっているのにどうやら自分の力を過信しないような人間らしいというのが描写されていた。おそらく彼女は今までの経験から自分の富や美貌に寄ってくる人間を数多く見てた(美貌については今回のしゃっくり設定がまさにそうだろう)んだろうに、近次郎を見て、世の中ひとかどの人間もいるんだなと思ったに違いない。それがわかったときの彼女のはしゃぎっぷりには微笑ましいものを感じていたんだけど、まさかそれが油断となってつぎのエピソードのトリガーになるとは思いもしかなった。
 まぁこの作品もフィクションであってどうとでも展開をいじくれるものではあるんだけど、結構うまくできているねぇ。見始めた頃はなんて安直な設定なんだとあまり期待もしないでいたと思うんだが、今となってはかなり楽しんで視聴している。相変わらず突飛なネタ振りではあるんだけど、そういうのをぶっとばすぐらい人間関係の描写に惹きこまれてしまっている。