人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)、読書中。

 今三分の一か四分の一ぐらい。第1巻についてうだうだ書こうかと思っていたんだけど、よくよく考えたらネタばれになる可能性が大で、ちょっと迷ってしまった。まぁそれでも思いつくまゝ駄論を述べてみる。
 本作を読んでちょっと思い当たったのが、これ、スイフトガリヴァー旅行記の影響があるんだろうなということ。自分が以前入院したときに、青空文庫でそれを読んでビックリしたのが、アレ、童話では大抵巨人の国と小人の国あたりでガリヴァーが祖国に帰ってしまうのが多いんだけど、実はもっといろんな国を放浪しているのだ。そのなかにはラピュタ宮崎駿の作品とは印象が全然違う。が、きっと彼はアイデアはこゝからとったに違いない)とか、日本の高齢化社会を髣髴とさせる老人の国だとか、日本そのものすらあって(物語のなかの日本は妄想まっしぐらだが)、もう酷いほど突き抜けている。この人類は衰退しましたも、前述の通りカリカチュアであることは間違いないわけで、ガリヴァー旅行記と同じ体裁をとっていると考えるしかない。ガリヴァーの巨人や小人の国は、そのまゝ人格という意味での器の大きい人、小さい人に対応している。巨人の国の住人は、尊大だが目下の者への思いやりはあるなんてのが読めてしまうのだ。
 さて本作だが、本文中でなんで人類が衰退したのか理由がわからないなんて書いてあるが、作者の中ではちゃんと考えられているに違いない。妖精さんが地球に満ちた理由もちゃんと考えられているはずで、その片鱗を彼らの言動で垣間見せるという形をとっている。だから、人間の醜さ(すなわち人間の悪いところ)、人間の素晴らしさ(それを妖精さんに仮託している)の両面が描かれていると見るしかない。ほのぼのとした作風ではあるものゝ、あっさりとキャラが喰われたりして死んでしまうので、そこらへん作者が売れる理由の一つになっているんだろう。
 さて、肝心のアニメ視聴につながるかどうか?なんだが、結構興味が湧いてきた。内容がというより、むしろ原作をどうアニメで再現するのか?に重きはあるが。なんか結構難しそうなんだよね。会話もあって、エスプリも感じさせるものでありながら、基本は主人公のモノローグであって、これ自分の想像力では退屈なアニメになる可能性が考えられる。たゞ、自分が中高生の頃だったら間違いなくその予想通りのアニメ化すべきでない作品になったゞろうけど、最近のアニメ製作って侮れないからなぁ。まぁかなり未視聴のアニメも溜まっており、タイムリーに感想を書く作品にはならないとは思うが、極力とっておこうとは思っている。