セキレイ Pure Engagement 第3話

 一番天然だと思った結がなりすましだったことにより、一番のバカが月海にケテーイ。
 今話を見て、やっぱり2話かけて風花の加入をやるのが正解だと思い知った次第。Aパートまるまる使って、契約に至るまでの流れをやってたが、理屈の積み重ね、テンポや間、殺陣シーンとの複合を考えるとなるほどと思ってしまった。で、予想以上にコメディの出来がいい。ギャグは落差の激しさだという基本に忠実であり、最悪笑えなくても、緊張を解きほぐす役割は十分に果たしている。
 内容的には特筆すべき点は無いんだけど、敢えていうなら結女の語る「愛」ってのが心に沁みたことかな。大体物語で語られる愛ってのは大仰で、タテマエとして大切なのはわかるんだけど、言葉にしてしまうと途端にウソ臭くなるものである。この作品で語られる愛も、そういう手合いなのではあるんだよ。でもこの世界観自体が現代のネオリベ風潮のメタファーではあり、競って殺しあえ、そのためには何でも許される、負けるのは自己責任だってことになってる。たった一人の勝者が総取り。そして現代では圧倒的な権力者が初めから勝つことがわかっている。
 競合他社を蹴落とすために、自社の社員にパワハラを仕掛けてまで競わせる。労働者がそこで切り捨てられるのは労働者自身の能力不足と決め付け、自己責任だから仕方がないとホザく。そうやって、経営層の権力維持のためだけのパワハラなんて、別にやらなくてもいくらでも共存共栄できる方法はあるのだ。あるけどしない。だから、ここでいう愛は、そうやって理不尽に痛めつけられた人を癒すというご大層なものではない。皆人が言う通り、そもそも競わなくてもみんなが生きていけるんであり、たった「競わない」ってだけでも「愛」になりうるわけだ。人を傷つけて奪うのではなく、(自分が傷ついても)人が傷つかない方法を模索するのも愛なわけだ。そこらへん、自公政権経団連あたりの、人を傷つけても利益ってのと対置される。
 OPが何気にいいな。「白翼ノ誓約〜Pure Engagement〜/おんなじきもち」/結(早見沙織)×月海(井上麻里奈)×草野(花澤香菜)×松(遠藤綾) - flower in my headさんとこでも指摘されている通り、何度か聴くと味が出てくる感じ。vo.はちょっと棒っぽいんだけど、音を外さず勢いがあるので、むしろ好ましいとさえ感じる。前期のOPも何気にお気に入りだったけど、こういう曲を作るツボってあるのかな?。