WORKING!! 第3話

 八千代と音尾回?。音尾さんって、お父さんのもじりなのか。
 まぁマネジャーの仕事って、確かにこんなもんだよねと。で、店長の仕事もそうだわなと。店長は店員を働かせるのが仕事であり、マネジャーは有能な店長を引っ張ってきて任せるのが仕事だわな。で、ワグナリアって、どうも食材から調理するファミレスっぽい。大体大規模チェーン店っていったら、冷凍モノの解凍が「調理」だったりするもんな。
 今回もポイントがわかりづらかった。もしかして人物紹介と馴れ合いに近い絡みだけで、テーマなんてないのか?と思ったんだけど、どうやら店員同士のストレスのないコミュニケーションがそれらしい。小鳥遊も相変わらずズケズケとモノをいうものゝ、今回の台詞は全体的に棘が少ないように感じた。店員たちの店長への口のききかたもぞんざいではあるんだが、舐めているとは感じなかった。
 店長が仕事をしないってポイントは、これ、店員もみんなそういっているし、店長も自覚している。で、それをわざわざ口に出すってのは、これは単純に視聴者に「みんな店長が仕事できないっていっているが、本当にこんなんでいいのか?」と考えさせ、「いやでも実は店長は作業をしていないだけであって、ちゃんと店長としての仕事はしている」と誘導する構成なので気にする必要はないだろう。
 ただ、こういうフランクな関係を構築するのは本当に難しくて、まずチェーン店なら上下関係ははっきりさせるのが常。で、立場をはっきりさせてカネで従業員を縛るという構造になっている。上意下達の構造に従うからこそ給料がもらえるのだというのを示すワケだ。が、今まで視聴してきて、ワグナリアがカネでつって働かせるって構造になっているとは感じない。前回はマニュアルに従え、従わなくては馘だという構造になっていないって言及をしたが、今回もそう。八千代の刀にしても、みんなあきらめているんであって、当の八千代も刀を下げる*1って行動を許してもらっているからその見返りとして真面目に働いているって構造でもない。押し付けがましくも無いんだよな。
 従業員全員が、ファミレスならこれぐらいは出来てなくちゃダメだろうという自覚を持っており、出来ないから懲罰だとか、上手く出来るからもっとカネよこせでもない。そして、重要なのは一視聴者ではあるんだけど、仮に自分がワグナリアの店長だったとして、八千代は刀を下げているから減給だと言ってしまったら、職場を壊してしまうだろうなと容易に推測ができる描写になっているのだ。
 ついつい上下関係に依拠しないと職場の規律を維持できないと考えてしまいがち、いや、それが常識だと思ってしまうんだけど、いやそんなことないだろというフィクションを提示してはいるわな。でも確かにありえない話ではあるんだよな。今回登場した音尾をはじめ、現代の常識としては重大な欠陥を抱えていても店長も店員もみんなイイ人。いやワグナリアが居心地がいいから、みんな無意識のうちにこの良好な関係を壊したくない行動を取っているんだろうな、結果的にっていう風にも取れるんだけど、そこまでいっちゃぁ野暮だよな。
 もうけはどうなっているんだ?という疑問はあるんだけど、それが問題無いんだったら、やっぱカネだけで縛られてない居心地のいい職場なんじゃない?って思うような描写ではありました。

*1:刃を上にして下げなきゃダメだろ!