鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 最終話 旅路の涯

 セリムは生きていたんだ…。
 いちおう後日譚。今回は教訓めいたものが語られてはいたが、それが重要ってわけでもなかったのかな。エドウィンリィカップリングは、もうちょっと劇的かと思ったんだが、結構あっさり目で拍子抜け。でもこういう形のほうがねちっこいのよりは断然いい。で、たぶんこの場面を客観的に見たら、なんでもない風景のはずなんだけど、ここはさすが入江監督の持ち味で、息をのむような場面に仕上がっている。こっちまで泣きそうになったよ。
 メイとアルもくっつくらしい。エピソードとしてはこっちのほうが野次馬的に見てみたいのだが、それができないのがちょっと残念。というより、作品の通り、お供を連れての放浪者…というよりは冒険者ってのは確かに面白そうだ。
 とまぁ最終回としては無難なものになっていた。まぁある意味御伽噺だよな、みんな幸せになってメデタシメデタシ。
 っつーわけで、もうめんどくさいやらで結論付けると、おもろ+。万人受けした作りにしたらしいが、その点では文句はない。ちょっと自分的に掘り下げが足りない部分があっても、それはこの大部を考えれば、作品全体の評価を決めるものではない。興味があまり湧かない部分は自分的に“無い”ものになってしまうわけで、結果的に薄い物語と感じてしまうだけのこと。個人個人の想いや魅力、社会的背景と対応策、その他諸々の要素は満遍なくちりばめられていて、単なる娯楽モノで終わっていない。かといって、大人向けのテーマが玄人の鑑賞に耐えられるものか?と言われれば、問題はないレヴェルだが、物足りない。ま、贅沢な悩みだよね。総合的に見たら、まずまずの成功だと見て良いんじゃなかろうか。全方位ターゲットだとなかなかできないことだよ。