蓮舫「人材しか財産がない国で、科学技術立国を目指すのは当たり前」 魚拓

155 和紙(中部地方) 2010/04/14(水) 17:31:46.30 id:RyIT/Nxv

>>95
完成してないのに1位になれないのがもう分かってんの。
だから、「2位じゃだめなの?(2位でもその過程で技術が磨かれるとか
納税者に分かりやすく説明してみろ)」
ってこと。
そこで答えられなかったから削減って話になったんだけど、
結局予算は復活。
まともな頭の人は上で述べたことは気がついてるから納得するし
レンソウさんを叩くことはつまりスパコンに莫大な予算を投じる政府に賛成ってことだし
どっちにしろレンソウさんの思う壺ってわけ


142 硯(宮城県) 2010/04/14(水) 17:30:39.51 id:WHqTY/RR

実際スパコンの仕分けでは蓮舫より説明する側が無能すぎたぜ。
蓮舫ばかり批判してる奴はマスコミの情報しか見てないんでしょ。
事業仕分けの動画残ってるから見ると分かるが、役人が無能なのが分かる。
蓮舫なんてチョイ役でしかない。


162 ボウル(福島県) 2010/04/14(水) 17:33:32.00 id:uTvI/0qG

>157
口さえうまければっていうか、コネがあればじゃね
首相に会って訴えたら予算復活したわけだし、首相に会えなきゃお終い


164 和紙(静岡県) 2010/04/14(水) 17:33:39.62 id:zhluAPkw

スパコンベスト50
作る前から1位は無理だと分かりきってたんだよ

国別最高位  TFLOPS  最高位以外のベスト50入り
米国   1位  1769.00  (2,3,6,7,8,9,10,11,15,16,17,23,24,25,27,29,30,37,44,48位)
ドイツ  4位  825.50  (13,35,39,40,46,50位)
中国   5位  563.10  (19,43位)
ロシア. 12位  350.10  (38位)
韓国.  14位  274.80
サウジ 18位  190.90
英国.  20位  174.08  (33,34位)
スイス  21位  168.70
カナダ  22位  168.60
インド  26位  132.80
仏国   28位  128.40  (32,41,49位)
日本   31位  122.40  (36,45,47位)
http://www.top500.org/list/2009/11/100

TOP500に入ってるコンピュータ保有
277(55.40%) 米国
 45(9.00%) 英国
 27(5.40%) ドイツ
 26(5.20%) フランス
 21(4.20%) 中国
 16(3.20%) 日本
 9(1.80%)  カナダ
 8(1.60%)  ロシア、ニュージーランドオーストリア
 7(1.40%)  スウェーデン
 6(1.20%)  スペイン、イタリア
http://www.top500.org/stats/list/34/countries


176 セラミック金網(catv?) 2010/04/14(水) 17:35:50.52 id:et1GC/4m

37 豆腐(三重県) New! 2010/04/13(火) 16:54:57.69 id:BD1dzoap
理化学研究所は勝手に撤退したNECに損害賠償請求訴訟を起こしてる。
NEC撤退(100億も使い込んだあげく)により、計画はベクトルコンピュータから、スカラコンピュータに変更したけど、
当初計画の破綻にもかかわらず誰1人責任を取らず、そのまま予算を要求
スパコンは何に使うのかなぜ必要かと聞かれて理研は、「一分一秒でも良いので1位になりたい」と答え、
レンホウの有名な「世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのか」の発言になった。

その他の委員の発言
「一時的にトップを取る意味はどれくらいあるか」(泉健太内閣府政務官
「一番だから良いわけではない」(金田康正東大院教授)
「ハードで世界一になればソフトにも波及というが分野で違う」(松井孝典・千葉工業大惑星探査研究センター所長)

そういう経緯をどれだけ知ってるか。

三重さんが言ってんだから間違いねーよ


 実はあんまりレンホウは好きではないんだが、ちょっとこれはマスゴミに非難されてかわいそうだわなという感じがする。抜粋サイトの抜粋で、なんか後ろめたいな…。レスは抜粋しなかったが、とあるサイトにリンクしていたので、そっちを抜粋。
 科学への投資を誰に理解してもらいたいのか 魚拓

一昨日、東大でノーベル賞科学者を集めた「決起集会」のようなものがありました。研究室で中継を流していたのですが、残念ながら、仕分けの議論そのものを聞いて、それを踏まえた発言をしたパネリストはいなかったようです。利根川進氏が質問に答えるのを聞きながら、何度か「利根川先生、あなたのおっしゃっていることはだいたい仕分け側が言ったことと同じです」とつぶやいてしまいました。

 おもしろいのは実はコメント欄のほうだったりする。もうコメント部分のレスも止まっているのでこのサイトに変化はなしかな。事業仕分けのことについてだけでなく、日本の行く末について言及されているレスがあり、かなり同感な部分もあった。

17. 技術開発者 — November 27, 2009 @16:03:19

こんにちは、皆さん。あくまで無駄話ですけどね。

 仕分け作業でスパコンの説明が「世界一」にこだわったなんて話を見ていてね。条件反射というかパブロフの犬を思い出したんですね(笑)。

 訳分からない事書いている見たいですが、私はもう20数年前だけど、本省に出向させられて、いわゆる大蔵省とかへの概算説明に関わっていた事もあるのね。でもって、その頃によく言われたのが「細かい話は資料に書くだけ、話すときはインパクトのある話をしろ」なのね。まあ、ずいぶん昔の話なのでその後変わったかも知れないけど、私の感じではたぶん変わっていなかったのね。つまりスパコンの用途とか、その計算で得られる成果なんて説明よりも「世界一」を強調して説明するというのが、まあ普通だったということね。財務省への説明と仕分け作業じゃ違う訳だけど、そこは条件反射ですよ、ベルが鳴ればよだれが垂れるのと同じで、「必要性を説明しろ」と言われると自動的に「世界一です」なんてね(笑)。なんかそんな感じがして仕方ないのね。


50. スパコンの音声を聞いた東大情報系院生 — November 28, 2009 @11:35:54

はじめまして.
スパコンの音声を1時間全部聞いた東大情報系院生です.
(東大の決起集会には参加していませんし,音声聞いていません.また,情報系と言っても広いので,私はスパコンは専門外ですし,私の領域ではスパコンを使わなければ出来ない研究はまず見ません.)

以下,私の議論についての解釈を述べます:

結論から言えば,私は,あの仕分けの場は,説明者:「1位は無理でも京速は日本に絶対必要」,仕分け人:「そうですか.京速は何とかします」で済んだ話だと思っています.
まず,仕分け人は非研究者だけではなく,円周率πの値の計算の世界記録を作っている金田康正先生や,惑星科学者の松井孝典先生も入っていらっしゃいます.このお二方は,「1位は取れなくても仕方ないが,京速(10P)の計算速度は日本に必要」という点では一致していたと思います.
ところが,説明側が「1位」と「京速」を区別して説明できていませんでした.そのため,
説明側:「1位は重要」(これ,京速は重要っていいたいんだろうなぁ…)
仕分け人:「1位だけに意味があるのですか?2位になってしまったときの対策は?」
説明側:「1位は〜で重要」(だから,その〜って1位じゃなくて京速の効用でしょ?)

京速なら1位が取れる」という前提のプロジェクトなので,混同する気持ちは分からないわけではないですが.
この京速と1位の混同以外にも,ハードウェアに大きな変更があったのにソフトウェアには大きな変更が考えられていない,といった不備がいくつかあって,見直しという結論になってしまったようです.

あと,「シミュレーションの精度が虫眼鏡と顕微鏡ぐらい違う」といった例えを使った方が,スパコンの必要性が一般の人に分かってもらいやすいと思うのですが,この手の例えが仕分けでは出てきませんでした.これが言えてれば,「日本だけ虫眼鏡で研究して顕微鏡に対抗するのか」と続けることで,「じゃぁ,必要ですね」流れに出来たと思います.


59. かいもの — November 28, 2009 @19:17:03

ノーベル賞受賞者集合の動画をリアルタイムで見たのですが、そのサイトは動画にコメントを流せるタイプのものでした。そこに流れた中で気になった発言を。

『科学は重要だなんて話をするんではなくて、研究の評価、予算が役人に丸投げになっている現状に対して、科学者の視点で評価予算などを決めるシステムを提案すべきだ』

それから

<-----無駄-----> <-----有益----->

これが

<-無駄-> <-----有益----->

こうなればいいけど、結局

<-----無駄-----> <-有益->

こうなるに決まっている。
既得権益を簡単に手放せれるのなら、こんなにグダグダになっていない。

                                                                                                                                                              • -

きくち November 28, 2009 @22:39:41

少なくとも、事業仕分けの担当者が狙っているのは、

<-無駄-> <-----有益----->

ですし、それは科学者にとっても意味のあることですから、我々としては単に「減らすのはけしからん。仕分けは何もわかっとらん」と繰り返すのではなく、よい方向に向かうように意見を出すべきではないでしょうか


82. うさぎ林檎 — November 30, 2009 @12:05:46

IT企業に勤めていた時は、何とか事業団・何とか研究所と仕事をする機会がよくありました。
一昔前は計算機(古くて申し訳ない)リソース販売が営業の大きな部分を占めていたり何ぞして、
(外国から買ってきてカスタマイズした)解析コードの計算実行そのものを請け負ったりしたわけです。
国から予算を貰っているところは(どこも一緒でしょうが)1年間の予算をきっちり使い切ります。
何故なら「使い切らないと次年度の予算が削られる」これを回避するためだけにね。
で、年度末に何が起こるかというと……無限ループ回して実績を作るなんてことがフツーに横行したわけです。
勿論今では状況が違うでしょうね(あー、でも最近慌ててノートPCを何台か買ったなんて話は聞いたなぁ)。
ですが「本当にこんな立派なスパコンなんて必要なんかいな?」と若かりし私は疑問を持ったり
税金を払っている一人としては、もうちょっと有効に使えんもんかなと思ったりしたものでございます。
この程度の話は皆さんよーーくご存知だとは思いますが、何かこう……色々ダメな感じがするわけです。

                                                                                                                                                              • -

83. LiX — November 30, 2009 @12:51:27

せめてアフガンへの援助を値切れないものでしょうか。
どの分野でも予算の枠を決めるのはお役人なので、大枠を削れと言われたら、お役人がらみの無駄だけが確保されるのではないかという不安があります。
よその国のようにお役人の中にポスドクを増やしてもう少し専門のことが分かるようにするのが先だったかもしれません。

                                                                                                                                                              • -

84. 技術開発者 — November 30, 2009 @12:10:32

こんにちは、バルタン星人さん、かとうさん。

>Clara Haskilさんへの返答は難しくて、それの為の準備になる話なので、取りあえず、もうちょっと続いていいと思いますよ。

との考え方もありそうなので、少し説明しますね。通貨というのをその量で考えずに流通のスピードで考える事になります。少し江戸時代の話を例として話しますと、江戸時代に札差しが凝った別荘作って吉原の太夫を呼んだりして豪遊をする訳ですね。その凝った別荘を造るための材木が材木商から買われ、腕の良い大工の棟梁へ手間賃やご祝儀が渡される訳です。大工は実入りが良かったと言うことで、初かつおが売り出されると多少高くても買い、それを売った魚屋も「儲かった」と酒屋から晩酌の酒を余分に買う。これが、景気の循環です。寛政の改革で100万両を越えるご家人の借金を帳消しにした訳ですが、その結果として札差しの豪遊がピタリと止み、大工は仕事にあぶれ、それまで大工に売っていた魚屋の魚が鰯などの安いものとなり、その結果、魚屋の晩酌が減って酒屋も不景気なったのが寛政の大不況です。実際の所、消えたのは紙に書いた借用書の金額であり、江戸市中を流通していた通貨が増えたり減ったりした訳ではないんですね。

実は国債を増発する事の経済価値をみるためには、現在、皆さんが「貯蓄」として銀行などに預けている金がどこまで動いているかを考えないといけません。銀行が投資先にこまっておらず、皆さんの預金がきちんと早いペースで貸し出されて利息を稼いでいるなら、国債を出してもあまり経済的な意味は無いんですね、既に動いている金ですから。不景気で銀行も「貸し出し先」に困っている様だと、その金で国債を買った場合に、その金が銀行の金庫で滞留せずに市中に出回ることになります。でもって、現在の「平均消費傾向(100の収入がある時にどのくらいを消費に回しているかの国民全体の平均値)」は80くらいです。これは結構異常な数値なのです。高度成長期などは93くらいまで上がった時期があります。さすがに93の時代は、銀行などは貸し出し先よりも「預金」を集めるのに精一杯にならざるを得ないのですけどね。逆に80を切る平均消費性向というのも問題でして、銀行などの金融機関に金が滞留する可能性を示している訳です。

少し余談になりますが、国の借金が800兆円を越えているのは、確かに問題ではあるんですが、これを「ただちに返済(できないので安心だけど)」というのも問題なんです。というのは、上で言ったように、皆さんが預金した金が動きにくくなっている部分を預金で国債を買わせて流動性を作り上げてきたとすると、その金が銀行に戻っても、動かない訳で、さらに不景気を推し進める可能性はある訳ですね。国の借金を減らすなら減らすで、それも景気と相談しながらの対応が必要と言うことです。


89. 技術開発者 — December 1, 2009 @10:48:04

こんにちは、やまたろうさん。

>今「全体の収入が限られている中で、どの分野にどれだけの投資を行うのか」という議論をオープンに、横断的に行うことが求められている(以降の「行政刷新会議」が担うべきところ)わけで、その前段階の準備作業が「仕分け作業」にあたると思います。

私なんかは、「1980年代に40%まで下げた累進課税の最高限度額をそれ以前の70%まで復活して税収を増やし、その税収を社会保障経費にあてる事で、国民の所得間格差を是正して中流層を取り戻して内需を拡大して外需依存体質を改めるべきだ」なんて意識があるんだけどね。まあ、国民の皆さんが、「そんな社会では生きたくない」と言われている現状では、言っても仕方ないのでね。

ただね、私が怖がっているというか不安がっているのは、生きている経済や社会というのは「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいなトンデモないつながりを現実として持っていると言う事ね。その昔、エルニーニョでアルゼンチンの鰯が不漁だと日本で豆腐や納豆の値段が上がったりする様な関係ね。

仕分け作業で国民の前に明らかに成った議論は一次の効果なのね。例えば「鰯の不漁が鰯の価格を上げる」みたいな部分なのね。なんていうか、鰯が上がって魚粉価格が上がり、魚粉から穀物飼料への転換が起こって、大豆の国際価格が上がり、大豆の輸入に頼っていた日本の豆腐が高くなる」という二次とか三次の話は当然見えてこない訳です。

>いずれ国民全体から集めた税金ですから、翻って国民全体の利益につながる使い方であってほしいと思いますし、各分野の方々は、専門外の人間から見てどう見えるのかを、もっと意識する必要があると思います。

なんていうかな、私自身は別にスパコンを止めようがダムを止めようがかまいはしないの意識があるんだけど、国民が「政府の支出が減るのは大歓迎」というのが少し怖いんですね。今朝の朝刊によると、日本の経済の現状は35兆円くらいの需要不足なのね。つまり、作り出せる価値に比べて消費できる価値が35兆円ほど足りないのね。この調整には二つのメカニズムがあって、需要が伸びる方向の調整と生産を落とす方向の調整ね。需要が伸びてギャップが埋まってくれると嬉しいんだけど、多くの国民が「苦しいから節約しなきゃ」と思っている状態だから、生産の方が調整される可能性が高いのね。そうなると雇用とかはさらに悪化する懸念があって、それが国民の消費意識を冷え込ませて、さらに需要が減少するというデフレスパイラルに落ちこむ懸念はかなり高まっている訳です。なんていうか、政府の支出のうち国債償還費以外の支出というのは、たいていその年度内で現実の物やサービスを購入して消費される「需要」ではあるので、それを5兆円絞れば、当然、「需要」が5兆円減るものだからね。

なんていうかな、「デフレ(不況)の局面だから、政府はあまり支出削減をするな」という論調の上で、「できるだけ、価値のある使い方をしろ」という議論で仕分けしているなら、私は歓迎するのだけど、「税収に合わせて支出を減らしたいから仕分けしている」だと、デフレスパイラルの引き金を引いている可能性があるのね。


92. 技術開発者 — December 2, 2009 @10:23:43

こんにちは、やまたろうさん。

>本題とは直接関係しないのかもしれませんが、現在巨額の借金(発行済み国債)を抱える国の会計において、赤字国債を増発してでも景気を刺激しようという政策については、私は基本的に同意できません。

なんていうかな、ケインズの総有効需要管理政策と民主主義の不整合というのが実は巨額な財政赤字として現れるんですね。景気の後退局面で政府が支出し、景気の回復上昇局面で政府が金を吸い上げて引き締めるという支出と吸い上げのバランスが取れていれば、特に赤字にはならない訳です。ところがね、景気が回復しはじめた時に金を吸い上げようとすると、国民が反発して、その政策を進めようとする政治家は落選するんですね。景気というのは波を打つわけですが、かくして、景気の後退局面では支出し、回復から加熱局面では特に金を吸い上げもせず放任という事になるので、財政赤字がたまるというだけなんですね。個々に見ると色々事情もある中で借金が膨らんで来たんだけど、基本の流れはこういうことなんです。

>しかし、直接政府の支出を行わなくても(あるいはその額が少なくても)景気を刺激する方法はあるわけです。経済産業省のエコポイントなどはその典型例だと思います

何か勘違いされている様な気がしますが、エコポイント制はきちんとした政府の支出ですよ。

なんていうか、景気刺激効果というのはいろいろな観点があるんですが、いずれにしても、何らかの支出を伴っているものなんです。できるだけちいさな支出で大きな景気刺激効果をもたらしたい訳です。とは言いながら、なにせ国民の「景気悪いから節約しよう」を打ち破る刺激策というのはなかなか無いものなんですね。

少し余談になるけど、前の世界不況の時のニューデール政策の評価というのもいまだに議論されていたりするんですね。たぶん世界史なんかでは、「大規模な公共事業(テネシー川の灌漑工事とか)で景気を刺激したとか教わってこられたと思うんですね。実はニューデール政策で行われたのは公共事業だけではなくて、政府による労働者の大量雇用とか、会社が首切りしたり賃金を下げたりするのを禁止する法律とかいろいろあるんですね。でね、ある人は「全てが効果的だった」と言うし、別な人は「公共事業は効果があったが雇用対策は効果がなかった」っていうし、中には「どれも効果が無かった。回復したのは戦争という大消費が起こったからだ」なんて言う人もいるのね(笑)。日本の自民党御用学者は「公共工事は効果があったけど、雇用対策は効果がなかった」という評価を採用しているので、皆さんもニューデール政策=公共工事と教わっているし、自民党景気対策公共工事でやってきたから、やまたろうさんが、私が財政出動というと「公共工事の事だろう」と思われるのも無理は無いんだけどね。別に支出の仕方は色々考えられるけど、何らかの支出は必要という事ね。

上の総有効需要管理政策と民主主義の不整合の解決策として一つのモデルとして考えられるのは、高負担高福祉国家だったりするんですね。なんていうかな、景気の波に合わせて減税したり増税したりせずに、最初からかなりの額をとっておいて、取られるのを普通のことにしてしまう訳ね。でもって、社会保障のために使うように支出を大きく組んでおくと、社会保障費というのは結構景気によって動くんですね。不況になると失業手当とかで支出が増え、好景気になると減ったりしてね。つまり社会保障費というのは自動的に景気の波に合わせた支出になるんですね。これを「ビルトインスタビライザ機能」なんて言う事もあるけどね。

ついでにいうと、社会保障の充実は国民の景気感による需要の増減を安定化させる効果もあるのね。なんていうか、平均消費傾向なんて話を書いているけど、入った収入のうち消費に回されない部分は貯蓄なのね。でもって、社会保障の貧弱な国の国民は、不景気になると可処分所得のうちの貯蓄に回す部分を増やしやすいんですよ、将来不安に駆られるからね。でもって好景気になると反動的に消費が増える(笑)。つまりね社会保障が貧弱だと国民そのものが景気の波を大きくする訳です。

なんていうかな、私は「日本国民に嫌われる政策」と承知しながら、高負担高福祉国家論を述べたりするんだけどね。実のところ、安定して資本主義経済を営みたいなら、高負担高福祉国家というのは理論上悪くないものなんですね。もちろん、やまたろうさんをはじめとする日本国民は「社会保障の充実なんて、資本主義の敵だ」としか思われないだろうということは承知の上で書いています、そう教わって来たんだから仕方ないよね(笑)。




96. 技術開発者 — December 2, 2009 @13:32:09

こんにちは、やまたろうさん。

>私があたかも反対論者の代表者であるかのような決めつけはおやめください。

ごめんなさいね。ここ10年くらいでずいぶん性格が悪くなりましてね(もとから、そんなに良かった訳でも無いけどね)、なにせ、小泉政権の頃は、日本中が新自由主義経済国家論に浮かれている様な状態だったでしょ。新自由主義では高負担高福祉国家論なんてのは、とにかく敵視されたものですからね(笑)。

>景気拡大局面での財政引締めが国民全体の同意を得られない(今までの経過のとおり)ことはほぼ自明であり、その前提においては、不景気局面だからといって「単純な量的財政出動」に全面的には同意しがたい、という考えはまだ変わりありません。

とはいえ、デフレ局面を放っておけずに財政出動を行おうとしているのは、前の自民党政権も今の民主党政権も変わりませんよね。なんていうかな、不可抗力みたいな面があるんですね。「来年の種籾は残さなくてはならない」という農民が飢饉の時にどうにも生きて行けなくて種籾に手を付けるような感じかな。

種籾に手をつけなくて済むようにするためには、「種籾に手を付けるな」というだけじゃなくて、飢饉の時に飢えない工夫をしなくてはならないのね。その工夫にあたるのが、景気の変動に関してビルトインスタビライザーとして働く社会保障の充実だし、赤字を出しておいて後の好景気で埋める税の取り方じゃなくて、最初からしっかり取っておいてしまえという高負担累進税制だったりする訳です。

>技術開発者さんのおっしゃる「高負担高福祉国家論」(北欧諸国のような制度をイメージすればよいのでしょうか)に関して、選挙の結果としてこの論が排斥されてきたであろう事実は認めますが、少なくとも私自身は「社会保障の充実なんて、資本主義の敵だ」などとは毛頭考えておりません

北欧のイメージで良いのだけど、たぶん、今まで「ふ〜ん、そういう国もあるのね」みたいな感じで捉えられてきたと思うのね。でもって、それに次ぐ国としてサッチャー以前のイギリスが「ゆりかごから墓場まで」なんて社会保障を目指したことくらいはご存じだと思うのね。でもってお聞きに成ったことがあるかどうか分からないけど「英国病」という話ね。「英国は社会保障を充実しすぎて、人が働かなくなって沈滞したから、サッチャーが・・・」なんてね。実は北欧も英国も社会保障の充実はやったんだけど意味が違うのね。

北欧は「資本主義を守ろう」としたのね。なにせソ連の直ぐ近くじゃないですか、もしも国内で労働者の暴動でもおきようものなら直ぐに昔のソ連が「労働者の仲間を救え」と攻め込んできて、共産主義化されそうな怖さがあって、それで社会保障を充実させてきたわけ。或る意味で「思想から資本主義を守ろう」としての社会保障なんです。でもってやってみたら、意外と資本主義と相性が良かったのね(笑)。

それに対してイギリスというのは「思想による社会保障の充実」の面があるのね。私自身がフェビアン社会主義者なので、批判するのはおかしいんだけど、その時期のイギリスはフェビアン社会主義が理念化してしまってね。漸進主義と言うんだけど、資本主義から穏やかに社会主義に移行するというのがフェビアン主義なのに急ぎ過ぎちゃって、企業を国有化したりして、沈滞を招いたというのが歴史の示すところね。


98. 技術開発者 — December 2, 2009 @15:20:20

もう少し説明しますね。

>エコポイントについては(不完全ながら)レバレッジ効果のある政策の一つとして例示したまでです。

なんか出される話をことごとくけなすみたいで申し訳ないんだけどね。実は、お金の投入による景気浮揚効果でいうと、土木建築工事というのは結構効果が高いんですね。日本の場合、ハコモノ公共事業のやりすぎでして、真に必要な土木・建築工事があまりないのが問題なんですけどね。もし真に必要な土木工事が1兆円もあれば「景気対策にはそれをやる方が良い」とお勧めしたくなるくらいなんです。

なんていうかな、多くの産業が効率化されると、一つの製品あたりの必要な人間の数が減ってしまうのね。例えば200万円の自動車が1万台売れると200億円の需要が生まれるんだけど、その需要を満たすための雇用みたいな事になると、販売店の人とか運ぶ人そして工員さんが1000人/年くらいにしかならないのね。ところが、土木工事を1年掛けて200億円やると2000人/年くらいに成るわけです。こっちも、直接工事する人だけでなくて、鉄筋やらセメントやらを製造する人とか運送する人も含めるんだけどね。でね、この雇用確保に伴う景気浮揚効果が結構大きいのね。1000人の一次雇用が確保されると、その人がきちんと給料を貰って生活することで生まれる二次の需要とかもあるし、二次の需要に伴う二次の雇用確保の効果をだいたい3割くらいで計算するものだからね。なんていうかな、土木・建築というのは労働集約型産業の典型であり、それゆえに、投資に対する景気浮揚効果がたかくなる訳です。

>翻って科学への投資の話に戻りますが、以前述べたとおり、私は科学への投資が基本的に必要だと考えます。

こう言われて、ふと気が付いて科学技術関連へ資金投入の景気浮揚効果を考えてみるとね(データがないので計算出来ないから考えてみただけね)、結構景気浮揚効果は高い資金投入かも知れないと思ったんですね。というのはね、科学技術予算で買われる実験機器なんてのは、もともと台数があまりでないから、自動車なんかに比べて大量生産方式じゃなくて、同じ金額あたりの人の関与が大きいのね(笑)。唯一のネックは専門性が高いから、いわゆる一般の工員さんの雇用になずに専門家が残業して需要を満たすようだとあまりめでたくない(雇用効果が限定される)。


101. 技術開発者 — December 2, 2009 @17:25:18

こんにちは、やまたろうさん。

>脇道の話でROMの皆さんに有益かどうかはわかりませんが。

脇道ではあるんだけど、一国の経済とか社会と言うことに関して、或る意味で国民は皆、真剣に勉強もして向き合うべきだろうと思うんですね。どんな専門の人でも、否応なしに国の経済状況や社会状況に振り回されるものだからね。そういう意味では、マスコミがついこないだまで「安売り販売店」を特集しては「不況の時は助かりますね」と報道し、デフレという言葉がでるなり、「物価が安くなってデフレスパイラルが」とデフレスパイラルの説明をはじめたのを見て、「まあ、説明しないよりマシ」と思ったり、「マスコミに経済の分かるのはいないのかよ」と情けなく思ったり・・・。私なんかは、今は「日本の場合もともと内需は冷え込んでいたから、少々物価が低下してもなかなかデフレスパイラルにならないだろう、下手にインフレ政策をうって円安局面が行きすぎると、スタグフレーションが・・・」なんて心配している(笑)。なんていうかな、こんな話の元になる経済学の知識は国民が基礎教養として持って、日常会話でf気楽に話し合うぐらいでないと、こんな経済状況の国では政策論議もできないのですよ。

日本型の外需依存というのの怖さは、食とか衣という割と生活に欠かせない物の輸入を拡大させてしまうということね。そのために生活必需品の物価が為替レートに連動しやすくなるのね。円安になると家電とか自動車は外国に売りやすく成るんだけど、貿易相手の国にとっては「買わなくても生きていける物」だからね。それに対してこっちは「生きるのに必要な物」の値段が上がっていく・・・怖いと思いませんか?

>乱暴な話かもしれませんが、期限付公務員の身分で数万人単位を雇用し、農作業・林地の間伐業・漁業に投入すればそれなりの効果があるのではないかと。

民主党の緊急雇用対策の中に森林整備というのがあったと思います。なんていうかな、実は自民党の頃でも林業従事者育成事業というのはやっていたんだけど、たしかやっている事業団が天下り事業団だということで、国民の皆さんというかマスコミにケチョンケチョンにけなされていた気がしますね。事業団が天下り事業団なのは問題だけど、それでその事業は価値が無いかの様な報道も多かった気がしますね。

私は田んぼより山の方が遙かに広いど田舎で育って、下刈りとか枝打ちとかも経験しているけどね。整備する山にたどり着くだけで疲れる様な仕事だからねぇ〜。私は体力が無くてドロップアウトした口ね、山仕事には。


105. kurita — December 3, 2009 @05:12:01

> 焼け石に水滴程度でも、やるべきことはある

戦術的な勝利で(仮に勝利があったとしても、ですが)戦略的な失策を帳消しにすることは決してできないのです。 たとえ「家電業界や自動車産業には一定の効果はあった」としても、似たようなことをいくつかやってみたところで、「35兆円の需要不足」はいつまでたってもけっして解決しません。 気合いや根性でどうにかなるような話ではなくて、前にも書いた通り算数や科学の問題です。 強引な例えをするなら、米軍の本土上陸に備えて竹槍を準備するような事に意味があるのか、と問われているのに、やらないよりまし、意味が無いと言うなら竹槍に代わる案を出せ、と言うようなものです。 米軍の本土上陸を想定しなくてはいけないような時点ですでに何かが大きく間違っているのであって、その枠内にもはや合理的な解決策は無いことを自覚しないことには、いたずらに犠牲を増やし、問題の解決を遅らせるだけです。 百年に一度の危機(←この数字はいい加減)ならば、過去百年間使われたことがない(←しつこいけどいい加減な数字)解決策を模索しなくてはならないのは当然でしょう。 ここはこういう事を議論する場ではないので、私もこの件についてはこれっきりにしますが、「焼け石に水滴をかけ続ける」のとは違う案に興味のある方はこちらをどうぞ: http://wiki.livedoor.jp/reflation/


106. 技術開発者 — December 3, 2009 @07:43:53

こんにちは、QSMさん。

ニートが根性無しであるかどうかはともかく,自然と直接戦う農林水産業は生半可な覚悟で出来るものではないと言う事実に深く感動しました.やはりきつい仕事だから皆やりたくないわけですね.

なんていうかな、体力的にドロップアウトした私が言うのも変なんだけど、体力があったら「そういう生き方も良いな」と思えるものではあるんですよ、農林業ってね。きついのはきついんだけど、研究所で予算関係の書類書きに追われているよりも、精神的にははるかに健康的な仕事なのでね(笑)。

89の書き込みで「1980年代に40%まで下げた累進課税の最高限度額をそれ以前の70%まで復活して税収を増やし、その税収を社会保障経費にあてる事で、国民の所得間格差を是正して中流層を取り戻して内需を拡大して外需依存体質を改めるべきだ」なんて事を書きましたけど、この「外需依存体質を改める」という部分と農林水産業の復興は大きく関係しているのね。私に言わせると、日本は輸出しすぎなんです。「日本で採れない日本で作れない物」を輸入するのに必要な外貨を稼ぐ以上に「売らなきゃ成らない」と思いこんで売るから、日本で採れたり日本で作れたりするものなのに輸入した方が安くなってしまって、そういう産業が衰退するのね。そういう意味では、きちんとした内需に支えられた産業に戻して、「日本で採れない日本で作れない物」を輸入するのに必要な程度の輸出にしたなら、決して農林水産業は「嫌われる」仕事では無いと思っています。今は、「やっても生きていけない」から人が従事しないだけなんですね。

少し理解して欲しいのは、ずっと言っている「高負担高福祉国家論」というのはとてもじゃないけど「直ぐにできる」とかいう話じゃないです。20年とか30年とかかけて、穏やかにもっていかないとならない話だと思います。本当にこういう将来ビジョンが最適なのかどうかも分からないのだけど、なんていうか、場当たり的に「内需が陰ったから輸出で稼ごう」とか「不況になったから減税しよう、公共事業をやろう」とかしてきた結果として今があるわけです。そろそろ、日本人も「20年先、30年先の日本がどういう国なのか」を真剣に考えても良い頃じゃないんでしょうか?

でもって、今の不況対策というのは、きちんとやるべき事ではあるんですね。20年先30年先を夢見ても、今つまずいて足を折ったらそこに達せられないからね。或る意味で「不況」あるいはそれが進んだ「恐慌」みたいなものをあまり軽視して欲しくないんですね。国がその対策を誤って国内暴動とか内乱まで発展すし、その傷跡がその後の回復も妨げるなんて事例は、世界中にあることだからね。遠い先もみなきゃならないし、つまずかないように足下も見なきゃ成らない。どっちかじゃないんです、どっちもなんですよ。


111. 技術開発者 — December 3, 2009 @12:47:48

こんにちは、杉山さん。

>そもそも理科系エリートの「20年先、30年先の日本がどういう国なのか」って考えって、「高福祉高負担」の対極みたいなものだったんですよね。

それは理科系エリートに限らず、この国のエリート全て見受けられる事でしょうね。中谷巌なんかも留学した先で「かっちりと組み上げられた精密な経済学理論」に触れて新自由主義に傾倒して帰ってきたわけだからね。実の話、私も20年くらい前にかなり新自由主義に惹かれていたからね。彼がもし30年前に留学していたらケインズ理論に傾倒して帰ってきたんじやないかな(笑)。

なんていうかな、それぞれの時期みたいな感じを受けるんですよ。成長期の若者なら極限まで身体を使うスポーツも有益だけど、中高年になったらウォーキングみたいな穏やかなスポーツの方が向いているみたいにね。

なんいうかな、私は新自由主義そのものを否定もしていないのね。例えばこれから発展する国が、セーフティネットの充実と並行しながら新自由主義政策をとるなら、いつ方針転換するかという問題はあるけど、5年から10年くらいでめざましい発展を遂げられる可能性はあるのね。

なんていうかな、私はフェビアン社会主義者だから、一面では共産主義者でもあるんですよ。マルクスの「資本主義はその成熟の末に矛盾を解消するために共産主義に移行する」なんて歴史観を信じている訳ね。ただね、それが歴史の必然なら急ぐ必要は無いと思っているのね。資本主義の成熟に協力して行けばよいと思っている。或る意味で、世界中の資本主義の発達がバラバラなのはあまりめでたくないのね。世界中の国の資本主義経済がしっかり成熟することで、やがては共産主義になるのだろうと思っている訳ね。


118. 技術開発者 — December 4, 2009 @08:37:26

こんにちは、皆さん。

kuritaさんが105で紹介されたリフレ政策ですが、私は疑問を持っています。たしかに、デフレの時は通貨量を増やし、インフレの時は通貨量を減らすというのが景気コントロールの基本ではあるんですが、その元になる需要−供給バランスがそういう基本的なコントロールの働く範囲を超えている気もするんですね。

かとうさんが85で紹介されているみたいに
>現状は「銀行に金が無くて貸せない」ではなく、「銀行は
>貸し出し出来る金はある。しかし、貸し出し先がない」であって、
>(その旨、衆院財務金融委員会で、藤井財務大臣も答弁してましたが。)
>お金が回らない状態なんですね。

という状況で通貨量の増大を行うことの意味がよく分からないんです。

実体経済の実態需要がなかなか伸びない(35兆円の需要不足)中で、通貨量の増大を測ると、その通貨は貯蓄に回り、実体経済の投資先ではなく、マネタリズム投機に回り、バブルを引き起こすだけのような気がするわけです。もちろんバブルは拡大期には速いペースの景気回復を引き起こす事は理解しています。しかし、バブル型の投機経済拡大は、そのコントロール実体経済以上に難しいと考えています。

リーマンショック以前に短期間見られた物価上昇も、中国の原油需要や米国の燃料用穀物需要などの実体需要をマネタリズム投機がバブル的に拡大させていたものの様に考えています。そのため、リーマンショックが起こった結果として原油穀物の国際価格が下がったわけです。もちろん実体部分的に合わせた揺り戻しもおこりましたけどね。

なんていうか、通貨量の増大は必要かも知れないと考えているのですが、それは有効な「需要喚起政策」と上手くマッチングするものでないとならない気がする訳ですよ。


119. Isshocking — December 4, 2009 @08:33:50

パイのとりわけもさりながら、外交上基礎科学力は非常に重要です。
技術の標準化や宇宙開発、核軍縮、温暖化対策、はては捕鯨問題まで、他国に何かを協調してもらうためには科学の「格」が唯一外交メッセージの信用を担保します。(でなければ軍事力)
政治家や大企業経営者の口先三寸だけでは国際信用は得られないのだと思います。
ですから、スパコンの「なにがなんでも一位」も意味なしとはしません。国際標準化の流れ(プロミラミング言語やOS、I/Oもあります)の中ではエビデンスが重要視されます。1度でも一位になったところと、万年「そこそこ上位」では裾野の分野に影響してくることが考えられるからです。
科学技術予算を大幅削減することは、外交メッセージに少なからぬ悪影響があります。

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きくち December 6, 2009 @22:10:35

僕は今回の次世代スーパーコンの「一位」にはそれだけの意味はないと考えます。
前回の地球シミュレーターにはありました。

その違いはいろいろあるのですが、無理筋で一位を取っても、それは「見透かされている」ということでいいかと思います


122. kurita — December 4, 2009 @10:43:15

これっきりとか書いておきながら、また出てきちゃいました。

>>現状は「銀行に金が無くて貸せない」ではなく、「銀行は
>>貸し出し出来る金はある。しかし、貸し出し先がない」であって、
>>お金が回らない状態なんですね。
>という状況で通貨量の増大を行うことの意味がよく分からないんです。

6年前(!)の黒木さんのコメントから抜き出します。
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さらに「銀行貸出が増えないと景気が回復しない」という説を信じている人もいる。[中略]デフレを伴う長期不況下で政府が銀行に貸し出しを強制すれば不良債権は確実に増加しまくります。
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さらに、昭和恐慌でも米国の大恐慌でも銀行貸出が増加に転じるのは景気回復から3年から4年後だったことも知られています。 (実は理論的にも銀行貸出の増加が景気回復に遅れる方がもっともらしい。) 銀行貸出を先に増やすことによって景気を回復させるという発想はおそらく誤りです。銀行貸出という経路だけにこだわると失敗するでしょう。
===========================================
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/b0056.html#b20031210214535


123. Isshocking — December 4, 2009 @10:37:18

技術開発者さん:
>なんていうかな、体力的にドロップアウトした私が言うのも変なんだけど、体力があったら「そういう生き方も良いな」と思えるものではあるんですよ、農林業ってね。きついのはきついんだけど、研究所で予算関係の書類書きに追われているよりも、精神的にははるかに健康的な仕事なのでね(笑)。

わたしは現役の農林業もやってます(小規模ですが)
林業は金にならないだけで、ちゃんとやろうとするとケタ違いのスキルが必要になります。技術だけでも建築・土木・機械・電気・電子・薬学・化学・物理・生物、それに法律や行政手続、市場交渉まで。
ただ単に種を蒔いて移植すりゃいいってもんじゃないです。
もちろん全部を専門職のレベルで実務できるわけじゃないですから、取捨選択して自分の得意分野を伸ばしていくわけですが、そこらが他業種にない楽しみにもなります。
ある種のロビンソン・クルーソー的たのしみというか、ハックルベリー・フィン的楽しみというか。
わたしは50町歩ほどの山持ちなのですが、50年かよっててもいままで知らなかったクマガイソウやサルメンエビネの群落など、新しい発見があります。

素人が山作業するのはまず無理ですね。山では間伐にしても枝打ちにしても50m間隔くらいで作業します。5m離れると声も聞こえない藪の中ですから、つききり指導などできません。
どうも林業を持ち上げる都会の人は道端にあるような林地しかみてないのではないかと思います。
大部分の山はうっかりするとずるずると崖下に落ちそうな傾斜地を谷4つか5つ越えてやっと作業現場にたどりつくのですよ。


148. 技術開発者 — December 8, 2009 @12:45:09

こんにちは、かとうさん。

>政治にビジョンが無いと言ってるけど、国民が将来ビジョンを必要と
してない風潮みたいです。
>だから、政権交代が起こったのかと考え中です。

う〜ん。政権交代に関しては少し違うかな、もともとの自民党政権にしても「場当たり政策」をやってきた訳ね。場当たり政策とビジョンの有る政策の何が違うかというと、政策後の評価の基準が違うわけです。場当たり政策だと、その政策の直近の効果の評価だけど、ビジョンがあるとそのビジョンに対する達成度が求められるからね。でね、実のところ場当たり政策の方が「腐敗しやすい」のね。その場しのぎの効果を上げとけば、その後は皆が忘れてくれるわけで、長期的にビジョンに対する達成度という評価にサラされないからなんだけどね。でもって国民は「腐敗に怒って政権を交代させた」様に見えるのね。

或る意味で、国民が「ビジョンなんて無い」という事に慣れすぎてしまっているので、腐敗の原因の一つにビジョンによる評価がないと言うことにも理解出来なくなっている気がするのね。だから、腐敗には怒っても、ビジョンを求める動きには成らないと言うところかな。


149. 技術開発者 — December 8, 2009 @12:56:01

こんにちは、sshockingさん。

なんていうかな、ラーメン屋ならそれぞれの人が「旨い」と思うラーメンを棲み分けできるよね。こってり味の好きな人はこってり味のラーメン屋に行き、あっさり味の好きな人はあっさり味のラーメン屋にいく。でもね、国民にとって国は一つだからね(とりあえず)。なかなか気に入らないからといって、別な国にもいけないものです。ビジョンを求めるというのは、或る意味で政治という一軒しかないラーメン屋にそれぞれが、「自分が旨いと思うラーメンはどういう味か」を表明することでもあるんですね。こってり味の好きの人が多くて「こってり味がおいしいと思うぞ」という声が多くなることで、ラーメン屋がこってり味を工夫したり、あっさり味を望むお客が「あっさり味」と注文して、そういうお客が多ければ、ラーメン屋があっさり味になったりする訳ね。私が「国民がビジョンを求めない」というのは、お客が「こってり」も「あっさり」も言わずに「旨いラーメン」を求めることに似ているかも知れません。

例えば、国民は「生活しやすい国」と望んだとしますね。私は「まあ、あまり貧富の格差が無い国の方が生活しやすいな」と思うかもしれないし、別な人は「アメリカンドリームみたいに、自分の才覚さえあれば、ボーナスが100億円貰える国が生活しやすい」と思うかも知れません。でもどちらもが、そういう自分にとっての住みやすさとは何かをはっきり出さずに「生活しやすい」だけ言ったなら、政治家が思う「生活しやすさ」でやるしか無いと言うことです。


159. Isshocking — December 10, 2009 @21:07:40

SERGさん:
>過去を振り返ると、例えばDECのアルファ、MIPSSPARC等のRISC系のCPUのほうがはるかにまともだったと思います。同じインテルの860というのもありましたか。
日立のSH4も混ぜといてね。
まともはいいんですが、同世代の同一クロック、同一アプリだとx86系より性能優位、競争優位だったケースはなかったんじゃないかと思います。
Wavelet変換とか電力網系統解析とかで比較したことがあったのですが。
RISC系ではクロックとパイプラインキャッシュ容量の絶対的な優位性がCISC系に対する優位性として必要なのですが、クロック速度もメモリ速度も頭打ちになっているので、速度差はあまりなさそうです。ストレージはいわずもがな。
だいいち、Pentium,Xeonでも主要な命令は1クロックで実行されるので、RISCの単純実行命令の優位性はほとんどないと言っていいんじゃないかと。
スパコンのTop500でもXeonとかOpteronベースのが実に多い。
ちなみに、Sparcマシン(ちょっと古い)と80860ボード(かなり古い。クロック25MHzくらい)を持ってます。

>そもそも、x86と言っても初期のころとは中身はまったく別物と言って良いのではないでしょうか。
いや、コンピュータアーキテクチャというのはそういうことでもないので。
単にレジスタが増えたとかバス幅が広がったか、命令が増えたかということではないです。
例えば、Pentiumには未だにリアルモードがあります。
めた、レジスタが汎用レジスタでなく、レジスタ毎に使える命令と使えない命令があります。命令に直交性がないのですね。
386のバグ、リアルモードからプロテクトモードに移行してセグメントレジスタでページサイズを変更し、リアルモードに戻るとページサイズの変更がそのまま生きている、という仕様もいつのまにか正式な仕様として今でも残っています。
FPUレジスタの数が少なく、パラメータがスタックメモリ経由でしか渡せない、というのも変わってません。

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きくち December 11, 2009 @12:59:23

巨大なスーパーコンまでXeonOpteronでがんばるというのが、どの程度筋のいい話なのか、よくわからんです。

問題になっている次世代はSPARC64ですね。IBMはPower7で10PFLOPSを目指すとアナウンスしていますし、PCと同じチップではがんばりきれないのでは。
1コアで見れば圧倒的に速いのはNECのベクトルですよ。Top500のリストにコア数も出ていますが、地球シミュレータのコア数は桁が違います。


163. アルビレオ — December 11, 2009 @08:35:07

Isshockingさんの見方はソフトウェア側からの視点になっているのでかみ合っていないだけのような気がします。
x86プロセッサでも命令デコーダから先の演算コア部分ではRISCプロセッサとそう大きな差があるわけでもなく、RISC/CISCはもはやアーキティクチャの違いというより命令セットの差でしかないでしょう。
命令体系に直交性が無いのもデコーダより手前の段階までの話で、x86命令のレジスタ名は演算ユニットから見れば単なるラベルであってプロセッサ内部のレジスタと直接結び付けられてはいません。
リアルモードやFPUの部分も過去の互換性を引きずっているだけで、それ以上の必要性があって残しているわけでもないですし。
今のx86プロセッサはRISCと大差ない演算コアに、x86として振舞うための命令デコーダやメモリ管理ユニット、FPU命令実行ユニットなどをゴチャゴチャ積み込んだものといっていいのでは。

Pentium,Xeonでも主要な命令は1クロックで実行されるので

それももう過去の話です。
今は命令デコード後に実行順序を並び替えたり可能であれば複数の演算ユニットで同時実行しているので、命令あたりのクロック数というのは統計的にしか表せません。

RISC系ではクロックとパイプラインキャッシュ容量の
>絶対的な優位性がCISC系に対する優位性として必要

演算コアの設計にはそれほど大きな差が無いのだから、どちらもクロックやパイプラインで優位に立たなければリードできないというだけの話だと思います。
そのため需要、市場の大きさからx86プロセッサの方が投入できる開発リソースが大きくてリードしただけで、別にアーキティクチャの本質的な構造が優秀だったわけではないでしょう。

単純に同クロックで同じパイプラインの長さを持つと仮定すれば、複雑な命令を内部命令に変換する作業が入る分x86プロセッサの方が不利になります。
でもx86はパイプラインを長くする力技でそれも乗り越えていった。
それに対してRISCの方は、元の命令が単純なのであまりパイプラインを長くしてもメリットが少ないわけです。

結局RISCに勝ったのはCISCではなくx86で、x86の「市場の大きさ」が結果的に性能面でもRISCを凌駕したという話になるのではないでしょうか。

 なんか、最後はプロセッサの話になってて、金の使い道だとか日本の進むべき道とは外れてしまってますがご愛嬌。で、自分が強く印象付けられたのが、日本は輸出しすぎだって点。自分なんかはもう一歩踏み込んで、そもそも世界の経済競争が激化したのは、エコノミックアニマルとまで呼ばれた日本の輸出のあり方だと思っている。日本が輸出をしすぎなければ、合衆国だって貿易摩擦問題で日本を攻撃することもなかったはず。そして、日本が価格競争のために国内工場を閉鎖して海外へ進出したのだって大問題。あれで、世界中が価格競争に巻き込まれて、日本製品に対抗するため他国の海外工場への移転が激化したと見ている。
 もちろんユダ金も酷いことをしてきたわけなんだが、ユダ金の投機方法だって、日本のバブル期の土地転がしカネ転がしを手本にしたんじゃないのか?。ユダ金は金をその国の汚職政治屋に使って間接統治→搾取なんてことまではやってたけど、その国の金融装置を無駄に回転させて搾り取るところまではやってなかったわけだろ。それが、バブル期の日本は海外の土地まで買い漁っていたわけで、そのやり方をユダ金が真似したに過ぎないのかもしれんわな。で、その頃の日本の経営層、即ち土光臨調以降の連中が責任をとっているかといえば、のうのうとふんぞり返っているわけで。
 人口が減ったら国力が減るってのはわかるんだけど、それって無謀な輸出による国力の実力の伴わない底上げによるもんじゃないのか?という気がする。そういう意味で、マージンも含めて日本に必要な財を輸入するのに適正な量、輸出をすべきなんじゃないのか?って論には賛成なんだよな。