DARKER THAN BLACK -流星の双子- 第12話

 謎は第3期に持ち越しか?。
 うーん、そうすると、今期はやはり蘇芳のストーリーが主ってことなんだろうなと。どうやら蘇芳とジュライは紫苑がコピーした地球に移住したらしいが、その地球は本物の星が見えるらしい。蘇芳と黒が別れてしまうという結果になったが、あんまり切なさを感じないのは何故?。第3期があるとして、やっぱり蘇芳は生きてはいても、ストーリーからは退場って事でいいんだよね?。
 自分としてはあんまりこの作品世界の謎とやらに巻き込まれるような興味が無いので、やれ契約者だとか、ゲートだとかというものに一々かっこよさを感じたりはしない。が、契約者ってのが何のメタファーか?というのを考えると、ちょっと話は別になる。契約者ってのは人間としての感情を無くす代わりに、特殊技能が使えるって事は、やっぱ個人的感情を押し殺してひたすら会社の利益のために不本意であっても許されないことをやったりしなきゃならないサラリーマンを過度に誇張したものなんかね?と思わなくもない。
 で、蘇芳のあり方は、それと対極である。契約者になっても非情さに徹しきれず、紫苑に植え付けられた人間らしい感情にいつまでも固執していた。ターニャを助けようとし、黒に恋する様子は、どう考えても仕事に徹しきる人間ではない。じゃぁ、他の契約者たちが本当に感情が無いのか?と言われれば、最後の最後で、どんなキャラにもやはり個人的な感情に突き動かされるものがあり、それとやらなきゃいけない仕事とのバランスを普段はとっていたのだというのがわかるようになっている。もし黒の感情が本当に無いのなら、蘇芳の記憶が消える時にあんな態度を取ったりはしないだろう。
 で、紫苑も黒も、そういう感情豊かな蘇芳を大切に思うからこそ、コピーした地球に送ったわけだ。あれはいわば楽園なんだろう。ただひたすら自分のためとか、組織のためとか、仕事のためとかで、手を汚すような人間は行ってはいけない楽園。そういうのは、今の地球に残るか、銀によって自殺させられるってことなのかね?。こんな簡単な解釈でいいとも思わないんだが。
 まぁともかく、今期はやはり親子愛だの恋愛だの、これがDTBか?と思うほど人間性を表面に*1打ち出してきたのは間違いないだろう。前期のキャラを登場させながら、蘇芳は主役であり、また狂言回しでもある。で、最後退場。パンを咥えて遅刻とか、もうお約束以外の何者でもないわな。
 評価はおもろ+ではあるんだけど、番外編ってテイストなのがちょっと物足りない気はする。いや、文句の付け所があるわけでもないんだけど。ただ、さっき述べた通り、現実のサラリーマンのあり方みたいなものに卑小化できるのだとすると、あまりにも芝居がゝり過ぎているし、謎を押し出したいんだとしたら、そんなにそっち方面を熱心に追っかけしたわけでもない。単純に流されてくるテキストにそれなりのペーソスを感じながら視聴するのは、最高ではあるんだけど…。

*1:いや、前期だって描かれてはいたんだけど、どちらかというと控えめではあったよな