真・恋姫†無双 第1話

 前は熊だったよな。
 やっぱ雑破業ですわ。二度見しちゃいましたよ。一回目はAパートで泣いちゃいましたし。とにかくキャラ達の紹介をあれだけの短時間に際立たせてやっちゃうあたり、尋常ではないわな。もちろん前シリーズを視聴していた層にはおなじみの面々が期待通りの動きをしてくれるおかげで「おかえりなさい」って感じもよく出てた。かといって前シリーズのエピソードの焼き直しじゃないわけで、なんともけなしようのない出来。
 さすがに尺が短いというか、そりゃ詰め込んだら無理が出るわけで、ちょっとばかし間は足りないが、それだけに話のヴォリュームはたっぷり。前口上であれだけ時間を喰っていながら、戦闘シーンでの各キャラの見せ場がしっかりとられており、また、今回のメインである馬超関羽のエピソードも場面の切り替えがいくつもあり、で、劉備の顔見せまであった。自分が気になったのは、関羽馬超西涼に帰れと言って馬超がキレるシーンだけで、あとは自然に感じたわけで、そこらへん演出か、絵コンテを切った監督の力量なのかも。
 さて、内容なんだが、付き合い初めの不器用な恋人どうしのエピソードそのもの。まぁ間違えることも無いとは思うんだが、どう考えても馬超が男役で、関羽がちょっと天然の入った女役。で、この関羽の役どころがまた破壊力抜群のかわいさなのだ。拗ねるところはあるものゝ、後をひかない爽やかなところといゝ、いや、なにより素直で直球なところがなんとも堪らんわけですよ。前シリーズを通じて関羽なんて物語のマスコットキャラだろ?と思っていただけに、これにはかなりやられました。
 で、視聴者にはほのめかすものゝ、あの察しがよさそうな孔明黄忠も全然二人のギクシャクの原因がわからず、手助けをしていないとか、馬超関羽の危機に真名を叫ぶところの微妙さとか、こりゃまたなんとも雑破業の意地の悪さを感じてしまった。これは演出もあるんだけど、ねちっこいぐらいの演技や強調があるかと思えば、わかりやすいところをみんなスルーとか、もういいように脚本の掌の上で視聴者が踊らされてしまうんだわ。
 題材そのものはオーソドックスなんだけど、料理の仕方でこうも変化がつけられるものなのかと感心した次第。途中読解意欲が減退して、流されるまゝ視聴していきそうだが、とにもかくにも期待が膨らむ一作ですよ。