で、アニメのことをぼんやり考えていた。

 まぁ正直昨年をふりかえってアニメの話題作なんかを挙げてみようと思ったのだが、思いのほかくだらない結論になったので、ちょっと書く気がしなかったのだ。昨年やったはずだから、少しは参考になるかもと思って読んだのだが、ジャンルごとに分けて多くの作品に触れておきながら、無駄に長い。で、今年は昨年にくらべてアニメに対しての情熱が薄れているのかなと妙に自分を見つめなおしてしまったのだ。
 いや、ここ最近数ヶ月ぐらい確かにアニメにときめかないような実感はあった。ただ、仕事が精神的にやりづらいのと、最近はなにやら自転車熱が上昇しているので、相対的に興味が低下しているのかなとも思う。しかし、そういや昨年の4thQはefもマイユアもあって、そういやほとんど毎回に近いほどボロ泣きしてたよな…。でも今年は同じefにしても、たしかに惹き付けられるものはあったが(第1期のインパクトも薄れたこともあろうが)実際に涙を流して泣いたのは1〜2回ぐらいだったかな。
 で、ttを見ても、各感想サイトさんで絶賛されていたわりに、自分ではむしろネタアニメぐらいの実感しか得られなかった。いや、比呂美視点で見るとかなり彼女の決意なり彼女なりに考え抜かれた行動なりと、心に深く切れ込むものはある。だけどもシリーズ構成がなぜ比呂美を中心とした物語にしなかった理由を考えると、製作に科せられた制約みたいなものに思いが至って仕方がないよな…と思ってしまったのだ。自分的にはttよりは紅を一押しかねぇ。いや、紅のほうがもっとファンタジーで、ttより有りえない設定なんだが…。
 で、そうやって自分の状態変化をぼんやり考えていたんだが、所詮アニメというのはマイナー分野で、やっぱぱっと見、やはりお子ちゃまメディアとしてしか認知されていないし、それが悲しいことに製作側に重大な枷になってもいるのかなと。どんなアニメにしたって(いや、アニメに限らずフィクションはすべて)終わってみれば、仮想現実上の、ある結論の一つに過ぎなくって、ふと我に返ってみれば「仮定の話をされてもなぁ」ということになるのかな。まぁ職場でもアニメはおろか、ドラマの話すらほとんどなされず、むしろスポーツだのの話題が多いのはそういうことなんかなと思わないでもない。いや、スポーツだって現実逃避の一つに過ぎないんだけどな。
 で、やたらデフォルメのキツいアニメ絵に萌えるだの、実現可能性の低いロボットがガチャガチャ動くのに燃えるだの、たしかに一般人からすればいい大人が金にもならんことにうつゝを抜かしてってことなんだろう。まぁ萌えはあくまで性癖の差でしかなくって、別に一般化すりゃ数ある性欲の一つってことになろうし、ロボットにしたって魔法にしたって高度に抽象化された記号と捉えてもいいわけで、受け取る側の問題にはなるんだが。
 で、いくら物語が面白いからといっても、ガワで判断されちゃ、テキストを書く側もしんどいよなという気はする。それでも巧みに行間に意味を込めていると思うんだが、それを読み取ってくれる視聴者の割合はきわめて低いんじゃないかな?。で、商売としては、そういう汲み取る側を相手にしてちゃぁ喰えないわけでなんともな。いくら精緻に組み上げても、もちろん外見はお子ちゃま、もしくは大きなお友達向けに仕上げてあるしで、そりゃわかんないのも無理はない。でもまぁそういう外部事情も内部事情も全部包括して見た時に、「いくら生地を繊細に仕上げても、そんな甘ったるいソースをぶっ掛けた料理(菓子)を作って、わかんねぇだろ」みたいな感じはある。商売としては手の入れどころを間違っているわけでもないんだけど、外部から観察すればそれは無駄な努力というか、努力の方向を間違っているんじゃね?と見えてしまうわけだ。
 まぁそんなわけで、所詮はつくりごとに過ぎないアニメに熱中している自分を確認して、どうも戸惑っている次第。そりゃ荒唐無稽だったけど、どうせ既成の概念をぶち壊すぐらいの勢いで、ネタアニメ上等!ぐらいの熱情で訴えるぐらいじゃないと、話題性のある作品は作れないのかなというのがふと頭をよぎった。昨年放映じゃなくってスマヌが、ガラ艦はかなりすごかったんじゃね?と浮かんできたぐらいだ。いやあれこそ一般人には受け入れ難い作品であるのは間違いないんだが。それにしても公式サイトがドメイン切れになって荒れ地になっていたのが涙を誘う。