で、これまたどうでもいい話なんだけど。

 夜中ペダル(ブレーキその他)の購入手続きをして、翌朝の通勤途中いろいろ考えていた。ロードレーサーブームが訪れたのは、そういや自分が大学生の頃だったよなぁと。それまで自転車といえば、ロードレーサーの格好をしているが、とてもそういう用途ではない、日本大手メーカーの通学車、たとえばブリジストンでいえばロードマンやその高級版であるユーラシアなんかで、やれ日本一周だの、速度を競わないツーリングだのがイメージとして思い出される。
 今でこそ海外ロードレース情報や自転車カタログと化している各サイクリング誌ではあるが、昔は自転車記事というよりは旅行記であるような読者投稿が、例えばサイクルスポーツなんかでは全盛だったように思う。北海道1周、関東から四方に向けての長距離ライド記、四国や九州周遊記だとか。で、大学の自転車部といえば大抵ランドナーと言われる、前後輪部にキャリアバッグをつけて長距離走行をする頑丈な自転車を購入して、キャンプとあわせ技のツーリングをするってのが一般的だったと思う。
 それが今やツーリングはほぼ全滅、通勤時にもツーリングをする大学生らしき姿を見かけるが、ランドナーは数がかなり減り、大抵はMTBにキャリアをつけるぐらいか。あとは公道でロードレースの練習をする(大学生というよりは多分若い社会人)姿が多いぐらいだ。まぁ結局ツーリングだと自転車関連の消耗品はタイヤぐらいで、あとアウトドアキャンプへしか金が回らないから、自転車業界的にはオイシクないのだろう。自転車が壊れても、材質が基本鉄なので溶接して大切に使うのが風潮だったから、商品が回転しないわけだ。今や自転車のパーツなど年毎にモデルチェンジだから、新型を買わせて金回りをよくするという流れだと思う。
 で、この£安の海外通販ブームで、某巨大掲示板でよく見た書き込みが、「海外通販で安くパーツを買いたいのだが、そうすると自転車ショップ主催のチーム走行会で気まずい」というものだ。自分なんかは部品はおろかフレームまで通販で、組み立てからメインテナンスまで自分で工具を揃えてやるってスタイルではあるが、町の自転車屋が潰れるのはまずいとは思っているので、それなりに商売として喰えるぐらいのバランスは保つべきとは思う。しかし、やはり自分が学生の頃を思い出すと、業界が生き残っていくために、新しいパーツを新規投入し続けて金を巻き上げるという構造になっているのなら、なんかヘンな感じを受けざるを得ないんだわな。
 最近の報道が、やれ外見的には自民党や大企業の悪行を叩くものに変わってきているのではあるが、例えば今日のんHKラジオでもゲストや解説者が「昨今の不況で派遣労働者が安易に切られているが、大企業は労働者を食わせていくべき」なんて、いけしゃぁしゃぁとのたまってて驚いた。んHKも、心ある製作はワープア特集をやっていたりして、それなりに社会の安定を考えている層もいるとは思うのだが、時事報道なんてつい最近まで自民党経団連の搾取構造を諸手を挙げて賛成して、その方向に世論誘導してたじゃねぇかと思うのである。
 で、なんで派遣労働者問題とかこんなに問題になるのかと言えば、そりゃ日本がモノ作りの国だとか言っていながら、その実適切な生産調節を大企業の経営層は考えておらず、とにかくモノを売って儲けられるもんならなるべくたくさん作って売るというスタイルを取ってきたせいだろう。政治屋もそういう企業から賄賂をたんまり貰って、国家戦略として製品開発や技術革新、販売スタイルや生産調整を有機的に行うことを、ほとんどやってこなかった。つまり、この超近代において圧倒的な過剰生産力を誰もコントロールしようとしてこなかったわけだ。とにかく数作って数売れというイケイケスタイルから、特に自動車産業を筆頭に大企業は脱却することができなかった。
 とにかく利益を上げるためには営業が第一で、本当に必要なモノだろうとそうでなかろうと、「売れつづけること」が至上課題であって、なにがなんでも需要の創出が必要とされてきたのだ。というか、もう白物家電が日本で売れなくなってかなりの年月が経つのであり、とっくに企業の開発部では新しいものを作っても売れないということは認識されているはず。というか、必要でないものをとにかくCMでメクラマシをして消費者に買わせるわけだろう?。だからこそTVCMに莫大なカネを投下してバカ番組を作らせるわけだ。そりゃ納豆の効能だろうとなんだろうとウソを言って消費者を騙すわけだよ。で、大抵の消費者はもうかなりの部分気がついているんじゃないかな。大企業を潤すためにいらないものまで購入させられ、その購入代金を稼ぐために大企業を頂点とするヒエラルキー構造に奴隷労働させられているってことに。で、今や法人の国税負担率は2〜3割で、のこりの7〜8割は、個人もしくは個人事情主の負担なんだろ。国への貢献度としては金を一番払ってない経団連が国政に要らぬ口を挟んで影響力を行使し、その影響力は労働者から盗んだ(稼いだ金を還元しないという事は、まぁそういうことだ)カネを賄賂として自民党に渡しているわけで。まったくフザけているわな。その末、また法人税減税だの企業だけへのエコ贔屓のゴリ押しなわけで…。
 今回の円高で、特に言われたのが海外メーカーの日本代理店のボッタクリ価格についてだ。まぁ日本の産業を守るために必要悪的な部分があるわけで、一概に非難は出来ないわけだが、正直海外製品に対して高率の関税をかけていたってだけの話だよな。ただし関税だと上乗せ分は国が没収するわけだが、代理店のボッタクリ価格だと上乗せ分は代理店が頂くってだけで。で、円安だと当然海外製品は日本人にとって高嶺の花という存在になるわけだ。で、その円安は実は経団連の輸出関連企業が自民党の議員に賄賂を贈って、不正に為替介入した結果であり、その資金は基本的には日本人の税金だと言われている。つまり、日本人消費者にとっては、自分の懐から盗まれた金で不正に為替介入されて不当に海外製品の価格を釣り上げられていただけでなく、海外製品なら代理店によって不正にボッタクリ価格にされるという、三重四重にわたって金の無駄遣いをさせられつづけたわけだ。で、輸出企業が海外に売った製品で得た外貨は、これまた国民の税金で不当に円安に誘導されているから、輸出関連企業に不当に搾取され、それが自民党政治屋に還流しているという構造。まぁうまく考えられているわ。こういいうイカサマにほとんどの国民が気付かず、自民党経団連企業が搾取しているのに、労働者は自分の不遇を自己責任と思っているんだからな。
 まぁイギリスだと失業率は確かに日本と比べると半端なく悪いらしいが、大卒の初任給があちらでは日本円にして40万を超えるらしい。さすがにレートが£1=¥200以上のときの話だから、今でいうと大体20万後半から30万台といったところだろうが。それにしても大体日本人の2倍ぐらいだろう。アメリカのビッグ3にしても、トヨタ現地法人の1.5倍の給料を従業員は貰っていたらしいから、こりゃどうなんだ?。たしかよく言われていたのは$1=¥110〜120のとき、トヨタ現地法人の時給が$26(当時で3000円を超える)で、ビッグ3はその1.5倍。¥4500かよ。8時間働いて一日3万6千。1ヵ月24日残業なしで働いて月給90万だぜ。日本のトヨタ期間工だと月30万を超えることもあったろうが、今や派遣で労働者は10万台なんだろ?。まぁ日本の労働者もよく黙っているよな。向こうの経営者はとてつもなく贅沢もするが、労働者にも見返りはするんだろ。こっちの経営者はあちらほど贅沢しないだろうけど、その代わり労働者を死ぬまで追いつめるわけだろ。いや、死ぬって形容でなく文字通り本当に死ぬわけなんだが。
 まぁそういうわけで、隣の芝は青く見えるが、日本の場合本当に隣の芝が青々としているわけで、僻むぐらいならとっとと経団連のお偉方や自民党の盗っ人どもを吊るし上げるなりすればいいとは思うんだが、問題はその後だわな。また計画性もなしに過剰生産力をほっといても同じ轍を踏むだけ。まぁ確かに雇用が大事ではあるんだが、もうモノを数作ってもダメ*1だと思うんだよ。作れば作るだけ奴隷にされるだけだし。今、経済大国としてドーピングされているからなかなか問題にならないけど、最終的には日本は今の国民全体を食わせていくだけの十分な農地が無く、基本的に無資源国なんだけど、モノを作っても売れないし、必要もないのはわかってきていると思うので、いわゆるサーヴィスを除く財の供給を縮小して、できるだけ維持で雇用を回せるよう構造変革をすべきときなんじゃないかと思う。
 今すぐそうなるとも思えないけど、大局で見て地球の人口からすると資源の奪い合いになり、経済がブロック化せざるを得ないと思うんだわ。そうなるとどの国も製品を高く売りつけて安く買い付けようとするだろうし、そうなると貿易が縮小しちゃうわけだろ。自国のことは自国でやんなくちゃということになれば、開放系の経済ではなく、循環系の経済にならざるを得ないわけで、資源一つとってみても無駄なく使い、再利用しつづけるしかないわけだ。そのなかで雇用システムを作り上げて誰一人飢えないようにするのが国家の責務だと思うんだけどね。要らないモノを売りつけてカネを奪う…というよりはこき使う(カネの源泉を労働力と見なすならば、カネを儲けるという事は労働者を最大限酷使することに等しい)というのは、何の生産性も無い頭が、仕事の源泉である足を喰ってしまうタコそのものって構造だよ。まぎれもなく。
 というしょうもないことをうだうだと考えていた。

*1:日本人にボッタクリ価格で売れなきゃ、海外に日本より圧倒的低価格で売りつけるって方法も早晩ダメになりそうな気がする。