マッハGoGoGo 第34話 暴走!レコードカー

 記録作りを邪魔していた会社から金をもらっていたのに、やっぱ吐くかね?。美しくはあったけど、なんかもどかしい。
 自動車の速度記録 - Wikipediaを見ると、この時点での最高速が確かにスピリットオブアメリカ ソニック1である。自分が学研の図鑑で見た、地上最高速自動車はこの後のブルーフレームだったような気が。ほかのサイトだと、ジェットエンジンF-86セイバーやF-4ファントムのを流用したとか書いてあって、正直素直に空を飛べよとか思ってしまった。ちなみに加速度は5Gらしい。
 今回は結構ネタとして色々詰め込まれているっぽい。確かに自分が幼少の頃は産業スパイが技術を盗むとかいうお話がたくさんあったような気がする。いつも言っていることだが、1960年代の高度経済成長期は、たしかに額面での国民所得は増えたものゝ、労働環境はすこぶる悪いところが多く、今回の話のように社員がすぐゾロゾロやめるという事態は(実感はないのだが)あってもおかしくなかったことだろう。
 http://www.tsr-net.co.jp/new/zenkoku/transit/index.htmlを見ると、なんか首相が変わるとガラっと倒産件数に変化が出ている*1ようだが、スピリットオブアメリカ ソニック1が世界記録を出していたときは、池田内閣から佐藤内閣に替わった頃で、なんと倒産件数が一挙に二倍以上になったこともあるようだ。自分が生まれる前の話だから記憶がないのは当たり前だが、高度経済成長期を古きよき時代と思うのは単なる錯覚だろう。
 たぶんこの回のように、勤務先を裏切る例もたくさんあって、剛の言っていた「所詮使われているだけで、甘い汁を吸っているのは…」というのも日常化していたに違いない。記録に挑戦するという社長も、この時代ならとんだボンボンだったのだろうが、子供向けには夢のある話だったんだとは思う。
 荒唐無稽の部分もやはりあったのではあるが、社会情勢がやけにリアルっぽくて、夢もペーソスも感じられるちょっと深みがいつもよりあった回だったと思う。

*1:面白いのは小泉内閣時の倒産件数。なってスグに倒産件数の最高記録を樹立するのだが、その後劇的に減少している。そりゃそうだ。銀行を救済するために税金から多額の金を注ぎ込んだのだから当然といえばそうだろう。その代わり、自殺件数も最高を記録し、高止まりする。特に20台30台の自殺者数が増加して、50台60台の自殺者数が劇的に減少している。経営層とまでは言わないが、若者を切り捨て、年寄りを救ったことになる。もちろん労働者もしくは国民を切り捨て、企業を救ったということにもなっている。