創価学会批難本その2

 これが創価学会だ―元学会幹部たちの告白 (1970年)も読んでしまっている。これも創価学会から出版妨害に遭っている。そりゃ批判されるほうはたまったもんじゃないとは思うが、学会員が実際にやりすぎた部分はあろうし、そこらへんなんとも判断がつかないな。いくつかの批判本は創価学会が全部数買い取ることで決着をつけたこともあったらしい。しかし、どうも不心得者が創価学会から金を引き出すために、買い取り前提での批判本を出してゆするなど、たかり同然のこともあったということだ。そういうことも相俟って、まともな批判本を出すにあたって全部買い取りどころか数部買取の金で出版差し止めをさせられて、作者が憤慨した例もあるらしい。なんとも混乱の激しいことである。
 本の構成は、複数の創価学会脱会者の経験を一まとめに「中村君」に代表させて、センセーショナルに描いた部分と、その他の部分に分かれる。その他は本尊がどうだの、創価学会脱会者が現職幹部を言い負かすところとかあって、あんまり真剣に読むところは無かった。第一部もいろんな実例が挙げられているが、脚色も入っているだろうし、創価学会による書き直しで真実がぼかされているところもあるだろうからうのみは出来ないかな。センセーショナルな流れになっているので、いかにも読んでいて滑稽で、本当にこんなことがあるのかと訝しがるような読後感ではある。いかにもネタ本って印象だ。しかし、内容は真実だけど、創価学会の指示でわざと現実味に欠けるような書き方に換えられていると感じるのが自然だし、かといってかかれてあることのすべてが全部の学会員に当てはまるというものでもあるまい。
 しかし、公明党に対して、実は自公連立までそんなに悪い印象をもっていたわけでもない。万年野党だった時期は、自分も学齢期で、庶民派政党の一つと思っていたぐらいだ。本に竹入委員長の名を見つけるとなつかしいという思いがよぎる。この本のP91の写真には「税制総点検と大巾減税」の垂幕のかかった公明党大会が映っており、今自民党にくっついて増税をやっている姿とは似ても似つかない様子に愕然とする。自民党を打倒するような文言がのっていたりする。
 そもそも大学に入ったときにも怪しげなカルトサークルは数あった。政治とくっついている団体でいえば、統一協会自民党)系の原理研究会共産党系の民青、あとは中核が主なもので、なんといってもこれだけには騙されてくれるなよというのが原理研でダントツだった。学生サークルでは別の名前なんだろうが、創価学会系はほとんど記憶に無い。だから、公明党自民党とくっついて国民を苦しめてくるまでは、先ほども述べたとおり、あやしげな宗教とくっついているが、主義主張からすると庶民派政党の一つとぐらいにしか思っていなかった。
 宗教なんて、基本的には貧しくて苦しい人が縋る物であって、それこそキリスト教しかり、仏教しかりである。しかも初代会長が軍国主義の元、小林多喜二と同様獄死したと聞くと、なんか共感を覚えなくも無い。追い詰められた人間が、酒でも飲んでなきゃしらふじゃやってられない、タバコにしたってそう、まぁギャンブルだって、その内の一つに入るだろうし、要するに宗教もそれらも現実逃避手段の一つとして社会的弱者に支持されるものだ。自民党世襲議員のように生まれた瞬間から豊かで世間知らずに育てられ、どんなわがまゝでも親の威光でなんとでもなってしまい、やりすぎて挫折するのとはわけが違う。自民党世襲議員が国民を無視してやりたい放題するのは決して許されないことだが、社会的地位が初めっからない人間が宗教にはまって迷惑をかけるというのはちょっと安直に批難は出来ないな。
 で、この本を読み始めて、自分のもともと公明党に持っていたイメージがガラガラと崩れるという驚きの連続だったのだが、読み進んでくると、実はあまり笑えない事例にぶち当たるのだ。創価学会が入信者を獲得することを折伏と呼んでいるのだが、この本の「折伏闘争」の節は他人事とは感じられないことが書いてある。

 このほかに、折伏成果を増やすための、苦し紛れの幽霊もある。幽霊世帯数までが、どんどん組み入れられて、実数の何倍もあるような、創価学会の公称世帯数が、その膨大な数値として世論を驚かしているのが現状だ。(p88)
 
(中略)

 どんなことをしても、どんなに頑張ってみても、折伏成果がなかなか伸びない地区がある。こうした地区の地区部長は、毎夜十一時から開かれる地区部長会の席上で、支部長や総支部長から、眼玉のとび出るほどにどやしつけられる。
 「○○地区部長、前に出なさい。オマエは成果表を見たことがあるか。良く見て見ろ、赤丸が二十ばかり違っていやしないか。なに、違っていないって?。ほう、それでお前は平気なのか。信心しているのか、していないのか、どっちなんだ。えっ、おい。○○地区部長。今月はなんだと思っているんだ。えっ、おい、なんとか返事をしたらどうなんだい。それでお前は、会長池田先生の弟子だと思っているのかね。どうした。どうしたというんだよ、えっ、おい。○○地区部長。お前のかおつきはだな、変に丸っこいかおつきして、地区部長ってかおじゃないな。めんどうくさいから地区部長やめちまえ。そのほうが、おまえに似合いというものだよ。わかるかねその意味が。おまえのかおは、功徳が欲しいってかおじゃないな。罰をもらいたいっていうかおだよ。もう良いから帰って寝たら。寝たらそのまま地獄行きだ。それがお前に似合いだろう。お前っていうかおじゃないな、きさまっていうかおでもないよ。そのくせ人並に造作をくっつけて、おい○○地区部長、わかるのか。どうなんだい、折伏やるのか、やらねぇのか。やる気あるなら明日までに成果をあげてこい。すくなくとも、六世帯はやるんだぞ。やらなかったら、明日こそはゆるせないよ。頑張るんだぞ。」
 このはねかえりは、当然のことながら地区部長から班長に行く。班長たちは寝ているところを地区部長に叩き起こされて、地区に集まり、夜を徹して題目を上げる破目に立たされてしまう。世が明けるとそのまま折伏に駆り出される。(p89-90)

 台詞の部分は、折伏=営業、題目=無駄な研修などと置き換えると、あ〜ら不思議、40年もの時を飛び越えて、まるで現代のブラック民間企業じゃございませんか。叱責は人格攻撃などにもおよび、部下がとばっちりを受けたりするところも全く一緒。幽霊世帯数での水増しなんて、クソ企業の粉飾決算と同じじゃねぇかと。まぁ、この本の背景となった1960年代は高度経済成長期といわれ、日本の黄金時代と考えられたりするんだが、その実過労やそれによる自殺が戦後うなぎのぼりに上昇した時代でもあったのだ。だから、この本の作者が読者が自分の経験と重ねあわせやすいようにこのような書き方をしたのかもしれない。創価学会の幹部も記述のとおりだったかもしれないし、一般人も会社ではこのようなどやされ方をされていたのかもしれない。そして、なにより驚く事は、このような抑圧的な命令方法が現代にも脈々と日本のブラック企業に受け継がれていることだ。まさか植村左内も今の日本の状態を予測して書いたはずもあるまい。
 時間の跳躍といえば、次の文も恐ろしい。

 日頃から、末法創価学会仏である、学会批判には大罰があると、飼い馴らされた群衆が、この日選ばれたというエリート意識で、たかまる心をよりいっそう発散する。大拍手、大拍手で歓喜し感激する。
 もしも公明党が政権をとって、こうした議会が実現したらどうだろう。
 「議員の歳費を百パーセント増額し、国民の年間所得平均を現在の四十パーセント以内に抑える。勤労者の休日は年二回とし、われわれは出来るだけ勤労者から搾取しなければならないと、このように決定したいと思いますが、皆さんどうでありましょうか。」
 満場わきかえるような大拍手。
 「生産者米価を五千円とし、消費者米価はそのまま据えおきとする。また、公共料金は現在の三百五十パーセントとの増額を一率に適用したいと思いますが、皆さん良いでしょう」
 再び大拍手。拍手、拍手で、何も彼も可決されてしまう。

 創価学会仏は構造改革、学会は自民党などと置き換えると、これまたあーら不思議、B層自民党を支持して自分も強くなった気になって郵政選挙自民党が勝ったことに感激する様子にそっくり。ここは有名なあのコピペに登場いただこう。

980 :名無しさん@八周年:2008/04/18(金) 10:30:26 id:WdGaVEO80
■前回衆院選過去ログ
【速報】総選挙投票終了! 各局の議席予想が出揃う
http://makimo.to/2ch/news19_newsplus/1126/1126436591.html

26 名前: 名無しさん@そうだ選挙に行こう 2005/09/11(日) 20:04:21 id:Tb6HTBHT0
ざまーみろ、民主wwwwwwwwwwwwwwwww
哀れwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
失せろ売国奴wwwwwwwwwwwwwwwwwww
59 名前: 名無しさん@そうだ選挙に行こう 2005/09/11(日) 20:05:06 id:kmOObWrx0
やっぱ自民党圧勝だな。
当然だ。
119 名前: 名無しさん@そうだ選挙に行こう 2005/09/11(日) 20:06:22 ID:UJ+lM0UV0
これでいよいよ構造改革に本格的に着手できる。
ようやく、日本が少しまともになった。
日本人を信じて良かったよ。。。。本気で泣けてきた。
298 名前: 名無しさん@そうだ選挙に行こう 2005/09/11(日) 20:09:40 id:nU10rvvLO
(=゚ω゚)ノやった!自民劇勝
511 名前: 松下(本物) ◆3bVLh9KgpU 2005/09/11(日) 20:13:08 id:uF7+v+Up0
自民単独300議席予想おめでとー!
820 名前: 名無しさん@6周年 2005/09/11(日) 20:18:03 id:oAW9jZRj0
自民大勝ばんざーいヽ(´∀`)ノ

【速報】総選挙投票終了! 各局の議席予想が出揃う
http://makimo.to/2ch/news19_newsplus/1126/1126436591.html
578 名前: 名無しさん@そうだ選挙に行こう 2005/09/11(日) 20:14:07 id:sL5fIqZI0
ちゃねらーでニートやヒッキー、非正規雇用者、正社員でも年収600万未満の層は、今後激しい逆風が吹くことを
覚悟した方がいい。生きるか死ぬかまで「自己責任」の名の下にところん追い詰められるぞ。
自民は勝ち組のための政治だからな。
910 名前: 名無しさん@そうだ選挙に行こう 2005/09/11(日) 20:19:25 id:ZfHGfgIM0
今回自民に投票した低所得者層が、この先どのような仕打ちを受けるのか非常に楽しみではある。

 議員の歳費100%増額は経団連のあの人の役員報酬が五年でほぼ二倍になったことや、その人の会社では派遣や偽装請負で労働者の賃金が正社員の40%以内に抑えられているなんて、驚くべきほどの的中率。郵政民営化で公共料金が大幅アップとかも見事な合致である。強行採決でなんでもかんでも与党の都合の良いように法律が決められていくというのも現代の安倍・福田内閣と全く一緒。
 そもそもこの記述は、仮のお話で、数字自体もまず常識ではありえないだろうという誇張で書かれてある。しかし、公明党自民党に替わったほかは、全くこのありえないはずの誇張がホントに現実のものになるという、笑うに笑えない状況に今の日本はなっている。まさか公明党自民党に入れ知恵したんじゃないだろうな?。そして、これだって作者が未来を本当に予測したわけでもないんだよな。
 というわけで、昔の創価学会の悪行を読んでいるつもりが、いつのまにか自民党経団連によって本に書かれた悪夢が実現されていることに気付かされるという、もうなんとも言えない状況なのだ。むしろ今では創価学会はむちゃな信者勧誘なんてやっても効果が無く、むしろ反感を買われるだけだということを学習して、強引な勧誘はやっていない可能性のほうが高い。やるにしてももっとスマートな勧誘方法になっているだろう。職場で聞いてみても、勧誘自体されていないという話だったし、自分も勧誘を受けた経験は無い。ある一定数の信者で安定した平衡を保ってやりくりしているんだろう。
 整理すると、そりゃ創価学会が初期の頃には「いきなり上がり込んで、仏壇を叩き壊す」(この本の発行時にはもうそんな無茶な事はやっていなかったらしい)とか、本の記述のようなことはやっていただろうが、時代と共に沈静化しているというのがね。で、庶民の味方のはずだった公明党(まぁかなり早い段階から自民党と繋がっていたということは藤原弘達の本で明らかだが)が自民党と一緒になって国政をほしいままににするという変身ぶりにもビックリだ。で、公明党もしくは創価学会ならこんな無茶なことをやりかねんよと予測されたことが、自民党議員・経団連ブラック企業によって盛大に行われているというのがビックリだ。創価学会を槍玉に挙げている場合ではなく、そもそも日本人でありさえすればこのような事態はいくらでも起こりうる…というか実際に起こっているというのが非常に空恐ろしい。恐ろしいというより、実害が現れているわけなんだが。