ウエルベールの物語 〜Sisters of Wellber〜 第二幕 第23話「暗殺の章」

 空気を読めとまでは言わないが、シェリーはあそこで入ってきちゃいかんだろう。
 うーん、微妙ですな。ローデン王子がティナとの関係もさほど構築していないのに、あっさり身を投げ出すとはあまりに出来すぎている。ベトナム帰還兵のような悲惨な末路っぽく描かれており、確かに必要なことはやっているんだが、どうにも先を急ぎすぎているというか、唐突のような気がしないでもない。
 そうはいってもやはりローデンの気概は見上げたものである。自分なりの信念を持ち、現場に飛び込んで自ら何かをなそうとし、やったことは許されることではないのだが、ちゃんと自覚もしているし、罪を引き受ける覚悟も出来ている。青いところはまぁアレだが、不完全ではあるが誠実であろうとする描写は貶すべきものではないだろう。誰とは言わないが、信念も無く勉強すらやらずに遊びまくり、犯罪の揉み消しも一流企業への入社も親の七光りで自分は苦労もせず、いざ政治の場に出れば、威勢のいいことは口にするが全然国民のことを考えず、ただひたすら私腹を肥やすという首相が何人もいたよな。どっかの国では。