戦国英雄伝説 新釈 眞田十勇士 The Animation 最終話 秘密

 佐助を外に追いやって、いきなり見ず知らずの他人に秘密を打ち明ける姉って…。
 うーん、なんですか?とりあえず十勇士を揃えてエンドってのは?。いかにも続きますよという作りですが、いつになったら続編が見られるのやら。エピローグに入るまでは悲壮感を演出してエンディングだと思ったので、どうにも肩透かしを食らったような気分ですわ。
 霧隠の容赦ない攻撃にはワロタ。佐助は攻撃の刃に宛てて逸らすだけって描写なのが細かくてなかなか。信之配下とのコミュニケーションのあり方もいろいろ考えさせられるものはあるんだけど、あんまり本筋でもないので言及は避けておきます。
 というわけで、ぬるさを感じながらも結構楽しみましたよ。前にもちょっと触れましたが、続編が作られないのは、多分予算の関係や、娯楽要素の少ない本作のマーケティングが難しいというのはあると思うんですが、結末が善玉であるところの眞田家滅亡なんで、げんを担いで世の中が改善されない限り作んないのかなぁと。いや、上田編なら問題ないと思うんですが、六勇士以前の話になっちゃうもんなぁ。しかし眞田の成り上がり物語にはなるので、上げ潮基調を演出したいのなら悪くはないと思いますが。楓の萌え萌え描写も見られるだろうし。
 関ヶ原あたりだと、もうちょっと歴史を勉強しといたほうがいいかな?とも思ったんですが、それに越したことはないにせよ、別に知識がなくとも楽しめる内容でした。志をテーマに据え、眞田側にある程度片寄せしながらも、ある程度の裏面性は確保、かといって混乱はさせないという作りは良く考えられていると思います。まぁそのおかげで予定調和的展開からは逃れられないとは思うんですが、決まった歴史を改変させない以上、バランスは取れているんじゃないでしょうか。
 政治的主張を混ぜ込みながらも、人間の生き様に強く光が当たっているわけで、そこらへん色々訴求力があるとは思うんですが、ただ現状の日本だと難しいかもしんない。メインキャラクター達がかなり抑制的で、多数派には感情移入できないんじゃなかろうかと思ってしまいます。ある程度佐助に暴走させて反動形成させたほうが、今時の若者にとって受け入れやすいと思われますけどね。うーん、自分的には佐助的あり方のほうが好ましいんですけど。
 というわけで、きっと見る人を選ぶよねということで、多分この作品を見て賛同する人は現実社会でこき使われる側で、きっと自分の時間もあまり取れない状態になっているよね?みたいな事態が予測されて萎える。銀英伝の日本戦国時代編という触れ込みだが、負け戦から没落までの描写にならざるを得ないんで、イケイケ展開にしづらいのも辛いところだと思う。勝ち組の論理が有無を言わさず世の中全体を覆うというわけで、あんまり明るくてもなぁというのはあるが、かといって滅びの美学って結論にされても困るわけで。ルサンチマン的鑑賞法、もしくは他の視点で鑑賞できる人にはオススメです。統一感とか爽快感はあんまりないけど、そこらへん銀英伝同様群像劇としてみるのが正しいかと。たしかに光るものはたくさんあると思います。自分的にはおもろ+だったけど、他の人はそうでもないんだろうなとは思います。もう1〜6話までの公開は終わってますが、別に7話から見始めてもそんなに違和感はないと思います。さすがに10話からだとしんどいかな。