もやしもん 第11話「輝く菌未来」

 こっちはベロチューかよ!。
 というわけで最終回。なんとなくしゅごキャラ!のテーマとカブるわな。というか、そこに絞って話を〆たといったほうが適切か。構成としてはうまく原作から切り分けたといっていいでしょう。ん〜、個人的には2話使って沖縄編をやって欲しかったですけど。
 今回の出来はちょっとなぁと。ここをヤマ場に持ってくるという構成だから仕方がないんだろうけど、原作ではもうちょっとさらっと流していたような気がする。ヒゲとデブはもうちょっと沢木を気遣っていたし、樹はもうちょっと長谷川を責めていたような気がする。後半もっと間を取らなきゃとも思ったんだが、そこは尺の問題だろうな。こういう構成ならもうちょっと沢木に葛藤させるべきだとも思うんだが、原作はあっさりしていたんで、こんなもんだろう。あくまで原作基準で違和感を感じただけなので、アニメ版としてみるとそれなりの流れになっているんだろうか?。こればっかりは原作を読まない状態で視聴しないとダメかな?。発酵蔵の開所式がさらっとしすぎていたんで、脚本も詰めきれてなかったんだろうか。原作を削っての違和感と、アニメ版のテーマを調和させるのに困ったとか。初めっから11話構成ながら、打ち切りっぽい〆がどうにも気になって仕方がない。これまでの出来が良かっただけにちょっと厳しい評価かな?。
 と、最終回にちょっと疑問を呈してみましたが別にダメというわけでもなく、全体的に見てほぼ完璧に近いつくりだったと思います。中盤以降は沖縄編を最後に持ってきて、学生の自主性を尊重とかそんなので終わりにするのかと思ってたら、人生の選択というテーマを持ってきて、あぁ現代の教育問題からするとそっちが確かに重要かもしれんわと思った次第。与えられた選択肢のなかからいかに適切な答えを選ぶかという方向性で無く、選択肢をいかに自分で作り出すかという方向性。…でも言わせて貰えば、今の学生よりは昔の学生に効果があったんじゃないかと。今の学生でもそのメッセージが届く層は居るだろうけど、数は昔の学生に伝わるであろうと想定するよりもずっと少ないんじゃ?と。だからといってその取り組みが無駄だとも思わないが。たぶんこの作品を選んでまで視聴するような層には届いてもおかしくないだろうし。
 でもまぁやっぱ金なんだろうな。樹教授が言っていたように多種多様の選択ということであれば、省略されたUFO研のドタバタや沖縄編やらも描きたかったであろうし、発酵蔵の話も抜かすことも無かったろうしな。でもそれをやるんなら2クール…いやそれは間延びするかな…は必要だろう。ノイタミナ枠ってのが、アニメ無関心層の惹き付けという性格が強いから、よっぽど大ヒットでもしている原作で、大幅な収益の向上が見込めるってもんでもない限り、余計な金を使う必要もないし、予算の範囲内でスタッフががんばってくれればいいという判断だろう。で、確かにスタッフの気合は入っているように思われた。うーん、DVD販売?、原作付きの、それもコアなファンが買う程度+αを期待する程度だろう。むしろ高校生辺りには、いいきっかけとなるだろうが、学校が買うってことはないだろうし。作るほうは誰が買ってもいいよう意識して作っているだろう(かもして殺すぞという台詞が無かったとか他のサイトさんで言及されていたわけだが)しな。
 というわけで、評価は見始めた頃と変わらないといったところか。つまり原作より悪いとかいいとかという論点でなく、アニメも充分楽しめるものになっているということ。動くようになったから特に素晴らしいということも無かったような気はするが、これをきっかけに原作を読む層が増えるという効果は期待していいだろう…あんまりそこに意味があるとも思わないが。話は原作準拠で特に劣化しているというわけでもなく、絵のクォリティは平均して高い。音は可も不可も無いといったところか。わりと一般人に勧めてもよさそうな気はするが、ゴスロリをそれも男がコスプレするのはお茶の間の教育ママには刺激が強いんではなかろうかと。名作にプラマイ評価をつけるんならかろうじて名作-ぐらいはあげたいが、ここは一つ心を鬼にしておもろ+ということで。スタッフの皆さんはお疲れ様でしたと。
 怪→モノノ怪というパターンもあるから、続編がないとは言い切れないんだけど、菌劇場の台詞からすると現段階ではなさそうだわな。でもまぁ、今原作はフランス編が終わりかけているから、UFO研・沖縄編・発酵蔵のエピソードなど交えて2期を作れないわけでもない。あれば見るか?と言われれば、特に見る必要もないと思うんだが、視聴検討リストに入れるとは思う。