今日のいきいきホットラインは

 ゲストが政策研究大学院大学教授 福井秀夫。論理が明快でわかりやすいんだが、そのわかりやすさが逆に胡散臭さを感じさせた。どっかでこういう感じがしたよな…と思ったら、単一フレーズの繰り返しで日本国民をダました小鼠によく似ていた。まず大学からして怪しすぎる。大学の前に大学院という名がついているって何よ?。しかもこの大学の学生は官僚や地方自治体の役人らしい。ここの学長が八田達夫という人なんだけど、八代尚宏とともに書籍を出版している。八代尚宏

 日本経団連が導入を強く推し進め、厚生労働省が検討しているホワイトカラー・エグゼンプション推進派の一人。共同通信社発の記事で外国人労働力の全面開放を主張している(2007年4月26日付、信濃毎日新聞)。逆に日本人に関しては、2007年6月23日のNHKの視聴者参加型の討論番組で、若い視聴者パネリストが正社員の職業に就けないことを「パネリストがいまの状態になっているのは自らの能力。自己責任」旨の発言を派遣業者代表とともに行っている。 また、同番組にて雇用の地域間格差について「(好景気の)東京や名古屋に引っ越せばいいじゃない。なんで引っ越せないんですか?」旨の発言を行う。

 という人。
 まぁとにかく番組を振り返ってみると、格差がある事は前提となっていて、正規雇用と非正規雇用に非常に大きな差があることについて触れる。とにかく正規雇用が法律で保護されすぎていて非正規雇用がかわいそうという論調であった。非正規雇用も法律のために待遇がすごく低い状態に置かれているらしい。で提言が何かといえば、正規雇用と非正規雇用の間に中間層を作れば、非正規雇用の待遇を引き上げることができるとのこと。え?、本当に中間層をつくると非正規雇用の待遇がアップすると信じているのだろうか?。特権階級は日夜労働コストの削減に知恵を搾り出しているというのに、そういう中間層が出来たら真っ先に正規雇用をその層に叩き落すに決まってんジャン。非正規雇用にしてみれば、正規雇用の待遇が悪化したから相対的に自分たちの待遇は全然変わってないのに引き上げられた錯覚をおこすかもしれんが。まぁ法律が問題なんだったら、中間層なんておためごかしなんて言わないで、とっとと非正規雇用の待遇を引き上げる法律を作ったらいい話ジャン。障害者は使い物にならないから低賃金だと雇ってもらえるだの、地方に体力がないから最低賃金を引き上げると雇用が生まれなくなるとか言っていて、「非正規雇用でも職があるだけまし」のアノ人と同じ。いつのまにか非正規雇用の待遇を引き上げるという話からすりかわってるしな。
 あとはセーフティーネットが如何に今機能していないかというのを力説していた。まず、投書で「いま危急の課題は生活できないほど困窮している人をまず救うこと」というのがあって、じゃぁ人間がまっさらな状態であるとしたら、つまり生まれながらにして先進国に生まれ、金持ちの家に生まれた人でももし発展途上国の貧しい家庭に生まれて生きるか死ぬかという状態になる可能性を考えたら、まずそういう酷い状態にある人を助けないという意見は誰も言わないだろう…だから弱者に対するセーフティーネットの充実は必要なんだという論説。これも素直に聞くと弱者保護の立場にたった正義の味方っぽい印象を受けるんだが、たぶんその財源に消費税を上げるのは当然だよね?みたいな行間が透けて見えてゾッとする。
 まぁ本気で言っているにしても、まず実現度を考えるとありえない話だし、そういうお花畑を本気で教授という身分で言っているとしたらそれは罪であろうし、なんか裏があると考えるべきだろう。そもそもバブル後に雨後の筍のように出来た胡散臭い大学に官僚が教授の身分で天下りしているわけで、やっぱりというかわかりやすいというかゲストもその一人。まぁ世の中に害を成す部類の人間だろうな。自民党経団連の御用学者といったらわかりやすいか。こんな酷いヤツ税金で飼うなよ。
 福井秀夫を現在ググって見ると、この人の主張は一貫して「厳しい解雇規制見直せ(経済教室)」。つまり、中間層とか虫のいいことをラジオでは言っていたが、決して非正規雇用の待遇を改善すべきという主張じゃないんだよね。もう徹頭徹尾正社員の雇用を不安定化しろといっているだけ。それをうまくオブラートにくるむと弱者の味方にいとも簡単に偽装できるんだ!というのは素直に感動できた。そして国民はよくこういう甘言に騙されて、特権階級のみに有利なルールに作り変えられていくんだねと。
 まぁんHKは海より深く反省していただきたい。