つーわけで、本日の査収品は

 寒蘭2株と図鑑と用土。実は先ほどまで図鑑を眺めていてふと思ったことがあって、カテゴリーまで作ってエントリーに踏み切った。
 そもそもこのサイトを贔屓にしていただいている人には既知のことだと思うが、自分は園芸に興味があって今までいろいろ購入してきている。初めは食えるモノということで、家庭菜園を中心にしていたのだが、手慰みに花モノに移って以来、そっちのほうが主力になっている。はてなidでもある、Corydalisからはじまって、結構いろんなものに手を出してきた。蘭に手を染めたのは去年からで、その中でも東洋蘭に本格的に興味が湧いてきたのはほんの半年前からである。
 もちろん現物を直接この眼で見て、購入を検討すべきで、地元のHCに行ったりもするのだが、いかんせん趣味の小径に入ってしまうと、とたんに専門店に行かないと選択肢がほとんど無いという状態に陥ってしまう。そうなると、手ごろなところにある程度の在庫を抱えた店が無いとなると通販一択になる。
 最近はタキイ・サカタなどの一般種苗会社のカタログも写真がキレイになり、またネット通販でも色再現性を差し引くとしても画像で予測がつくことになる。栽培法もネットでほとんどの種がわかるというのも敷居が低くなったと思う。昔だったら街や写真で気になる植物を見かけても、マイナー種だったりすれば、専門書に当たるという段階から困難にぶち当たる。図書館に無ければ、内容もわからずあてずっぽうで高額な専門書をマイナー出版社から目録で注文せねばならない羽目になる。植物の名前がわからなかったりすればなおさらのことだ。
 で、別に昔のカラーカタログにせよ、色加工なんてモノはあったりしたのだが、むしろクレーマーの多い最近のほうが、手を一切加えない画像を提供するようなところもあったりする。まったくいいことやら悪いことやら判断に迷う。
 で、またまた長くなってしまったが、図鑑である。寒蘭なんてマイナーなもの、普通は現物を見て買うものだとは思う。寒蘭というか東洋蘭は基本的には一品モノというぐらいに考えていただけると近いかな。基本は山に自生していたものを採取、そのなかで花や葉の優れたものを選別して品評会に展示、そこで賞をとるなり、目ぼしい特徴があると評価されれば名前を付けられ(銘名)、その一株からの株分けで増やすのが基本だ。例えばわりと意外ではあるが、日本の桜の代表格であるソメイヨシノもオリジナルはたった一株だ。日本全国にあるソメイヨシノもその一株からの挿し木苗が広がったものらしい。
 まぁ結局一品モノであると考えると、花なり葉の色や形の微妙な差というのがとても問題になってくる。まぁなんで一般人から見ると、どうでも良いような差異を問題にするのか?と訝しがる向きもあろうが、そこらへん同人誌界とも似通っていると思う。どうせ結末はどの本も一緒な艶本なのに、やれどのキャラクターどうしの絡みじゃないとダメだの、どの絵師の本じゃないとダメだのにこだわるのと同じだ。寒蘭ばかり愛好するのも、石斛ばかり愛好するのも、同人誌の例で言えば、なのは本だけ集めるだの、あるサークル本ばかり集めるのと一緒と考えればよい。
 で、中身を確認したければコミケに行ってパラパラとめくれば間違いは無いのだが、寒蘭もコミケに当たる展示会だの、とらのあなメロンブックスにあたる専門店にはそうちょくちょく行けないわけで、ネットでのサンプルはともかく、コミケカタログに当たるのが、図鑑や専門店の発行するカラーカタログだったりする。
 で、今回入手したのが宮崎県蘭協会発行の「寒蘭大綱」だ。ハリのある紙で、光沢印刷なのだが、どうも写真が粗い。葬式写真なんかによくあると思うんだが、被写体と背景の境界がやたら不自然にはっきりしていて、「被写体を切って貼り付けたのか?」と思うような印刷だ。花のクローズアップ写真が多くて、ピントが花にしか合っていないという事もあってしょうがない面もあるのだが、葉なんて工事現場のスプレー塗装みたいな画質で萎えた。(結局言いたかったのはこのことなんだが)
 A4版総カラー200頁超で定価5000円なので贅沢は言えないが、一番気になっているのが色再現性だ。まぁ生き物なんで同じ株の複製品といっても栽培の仕方で咲き方も違ってくるし、撮影機材や撮影環境が違っても同じモノにはならないのは承知の上だ。だれかこの本がある程度の判断に耐えうるものなのかご存知の方いませんか?…ということなんですが。