興坪

なんとかネット環境にアクセスできたのだが、やっぱり日本語環境にできず。
 今日は8時ごろに目を覚まして、飯を食いに行きがてら陽朔の町を散策してみる。夕べは夜遅く、24時ごろうろうろしていたので、あたりの風景がいまいちよくわからなかったが、おきてみると確かに奇峰がそそりたっているのはびっくりだ。しかし夕べもそうだったのだが、典型的な観光地なので、いわゆるこの町独特の雰囲気ってのがあまり感じられなかった。
 夕べも結局炒飯と湯(タン)を頼んで食べたのだが、西街という観光ロードより一本逸れたところのメシやを利用した。炒飯が大盛りでくるので一品でおなかいっぱいになるのはありがたいが、なにしろ具が圧倒的に少ないので栄養的に大丈夫なのか心配である。
 目抜き通りは観光客価格ですべての値段が高めに設定されており、なんだかなぁといった感じである。値切り前提の価格だろうが、めんどくさいのでここはパス。しかし中国人観光客の多いこと多いこと。外国人それも西洋人目当ての街づくりをした結果、その装いを中国人がおしゃれと感じてしまうってのはなんだか悲しい。若者がカラオケで絶唱しているのを見るとこれまた複雑な思いが去来する。どっかの国も一度は通った道なんだけどね。え、どっかの国って?。
結局朝飯は米粉を食っておしまい。最近ちょっとした食事はこれが多いな。もよおしてもきたのでユースに帰る。
 帰ったら日本人に話しかけられた。香港から広州にインで、ここ陽朔で数日過ごしたという人だ。今日は桂林まで出て、列車で昆明まででて雲南を回るとのこと。18時間でつくというそうだ。自分が貴陽(貴州省)から広州まで24時間以上かかったような記憶があるのだが(ちなみに杭州昆明は3泊4日もかかった)、最近は早くなったのかな。自分としては今日行く興坪の情報が聞けてとてもありがたかった。8月の終わりまで旅行ができるとのことでとてもうらやましい。
 とにかく陽朔は自分にとっては長居は無用の場所と感じたので、すぐにチェックアウト、バス停に向かった。バスにはすぐに乗れたのだが、客でいっぱいになるまでゆっくりと運転してなるだけたくさん拾おうとするのでなかなか現地へ急いでくれない。6,7年ほど前に中国に行ったときも散々経験したのに、今回は不思議とこういう目にあっていなかったので中国も変わったのか?と思っていたがやはりである。客でいっぱいになるまで約10分かかった。なんだかなぁ。
 興坪には12時前ごろにはついたかな。目指すは江巡りのボート乗り場。自分としては江をさかのぼって桂林まで安く行くのがありがたいのだが、それでは商売にならんわな。どうも付近を一時間ほどゆったり巡って終わるらしいというのはユースでの情報。
 もう少しで川につくかというところ、店先に魚や鳥などを籠に入れている飯屋で飯を食おうか考えていると江巡りの客引きに捕まる。なるほど、これが竹で作った筏のアレですか…とピンときたのだが、ここはおとなしく流れに身を任せる。声をかけてきて3人でくじ引き。で、RMB80也で決まった。どうやら筏ひとつでこの値段っぽい。モノにもよるが3人〜4人ぐらいのれるので、人数いたほうがお得だろう。
 時間的には一時間半ぐらいかな。ちょっとした波打ち際みたいなところで乗る。川をさかのぼって一時間。下るのに20分ほどかな。天気も割りと良く、鵜飼いのおっちゃんや、水浴びしている水牛や牛などが見えて風情もたっぷり。帰り際には手を振ると鵜飼いのおっちゃんも振り返してくれた。落ち着いた表情で、なんか得した気分である。
 川下りのツアーだと、どうしても視点が高く、フェリーの席によっては見晴らしもよくないだろうから自分としては筏で結果オーライだ。興坪の船着場からの船だと川下りの簡易版かな。筏だと水に濡れたりとかして、それが気にならない人なら断然お勧めだ。中国人だろうか、慣れた人は水着を着て来ていて筏の前で足を川につけていたのもいた。まぁ筏といっても船外機もあるし、さすがに手漕ぎではないが、なにしろ川の流量があると流れも速いのでしかたのないところだろう。船頭のおっちゃんもなかなか中国人にしては気の利く人のようで、とはいってもたぶんコースが決まってはいると思うのだが、ポイントに行ってはデジカメの撮影に都合がよいように取り計らってくれていたと感じた。
 昼飯は店先に生簀のあった店に再度いって食べる。実は来る時の店番の女の子がかわいかったというのがあるのだが、人の来なさそうなところだし、ちょっと食事に贅沢するにはいいかとおもっていたところなのだ。店の前で様子を伺っていると、多分その女の子の母親だと思うのだが、メニューを持ってきて薦めるので、一人でも食べられる量かどうかというのを確認して、この地方の名物料理である啤酒魚を頼む。
 注文をとってから材料を買いに行くというのもなんだが、まぁそれは中国の田舎のデフォルトではあるので、気にしない。というか、そのほうが食材が新鮮でないかとも思うが。量的には十分。ただしもう一品ほかのものを頼んだら間違いなく食べ切れなかったろうな。魚は30㎝ぐらいの鯛に似た川魚でした。ピーマンだかシシトウだかの千切りとトマトと一緒に煮込んであり、(たぶん半切りにした魚はいっぺん油通ししてあると思う)、中国料理で贅沢するには十分であった。食べているうちに先ほどの店番の女の子が戻ってきて、たぶん一家の食事タイムだったのか、家族で食べ始めた。…が女の子は別の卓に移ってテレビに釘付け。日本でも見られそうな風景である。
 食べ終わって会計を済ませ、店の外に出ると泊まれるという張り紙があったので店の人に聞いてみると一泊RMB80だそうだ。もしまたこの地方に来るときには陽朔よりはこの興坪に宿泊したいとは思った。比較論になるのだろうが、こっちのほうがより観光地ずれしていないような気がする。
 陽朔へのもどりのバスも客待ちでなかなか発車せず、陽朔からここ桂林のバスもバスがいっぱいに埋まるまで発車せず、いらいらする。バスも汽車站ではなく、火車站に着いて戸惑う。宿は北京から来たところと同じところにチェックイン、そしてこのネカフェで更新中である。このネカフェも今までとは格段にこぎれいでおしゃれ。日本語環境も用意できたしな。