ながされて藍蘭島 第16話「勝ち取って、主の座」

 大牙も人の話をきかんやつだなぁ。
 そういやお師匠さんも大牙も尻尾が2本あるのね。もしかすると途中で別行動をとったお師匠さんが大牙に化けているのかと思いました。
 ヌシのシステム論みたいなものがあるのかと思ったら、すずと梅梅での行人の取り合いという構図だったわけね。行人も女を守るのは男の役目とか言っていて、そりゃ周囲は勘違いもしようというもの。まぁ行人が大人だったら物語にならないんで、ここは彼の未熟さを叩いてもいけんわけでして。
 そもそも行人が流れ着いて、村の意思としてなぜすずの家に行人を配置したのか?、そして時間が経ってすずと行人が家族として一緒に暮らすことに問題はないという確認がもうできてしまっていること、そして今回の話で描写されていたように、すずの意思もはっきりしているし、お師匠さんの言葉で周囲も納得済みであることもほのめかされているし、「行人はんは結婚したら奥さんや子供にさびしい思いをさせる旦那になったらあきまへんえ」というすずと結婚前提の指南がなされていて、もう内堀も外堀もすっかり埋められているのに、まったく行人のみが状況をわかっていないというか…。昔はたぶんこんな風に周囲が雰囲気作りをやってたんだろうなと、やっぱ民俗学的な描写はありましたなと。
 ぬしどうしのかけあいかと思ったら、なんのこたぁない行人とすずの間に緊張感を作るために梅梅という混乱要因を投入してきたというお話だったっぽい。アヴァンのナレーションがいつもと雰囲気が違うんでオヤと思ったんですが、危うく騙されるところでしたよ。