ゼロの使い魔

 をGyaOで視聴。毎週1話ずつの更新で、しかも前話はばっさり斬っちゃうので心理的に厳しかった。しかし地上波放送と違い、ピンポイントで逃すと非常に苦労するのと比べれば格段に楽なんですよね。
 さて、終わってみたらハリウッドでした…というのが全般通じて見た感想ですかね。最終話を視聴した直後なんでアレですが、戦闘中にラブシーンとか現実にはありえんでしょう。おとぎ話だから許されもするし、感動シーンに仕立てることもオッケーなんですけどね。
 “ゼロ”という単語に関連して、これだけ連想させてきますかというのが日本的ごった煮の醍醐味と思えないわけでもない。なんでOPに零式艦上戦闘機があらわれるのかずっと不思議に思っていたんですが、まさかそうきますかというのは素直に驚いた。
 風呂敷の広げ方、まとめ方はてがたいのかなとは思った。この世界観での合理性みたいなものを頭に置いた上での話の組み立てはきちんとしていたような気がするので、「どっかになにか忘れていないか?」みたいなわだかまりはなく、落とし込みには割と納得できた。まぁラノベ原作なので、そこらへん原作者が全部やっちゃってたってとこなんでしょうけどね。
 基本はありきたりな話ではあるんですが、ちょっとしたひねりがあって、その整合性に無理がないせいかストレスを感じないで、どっぷりと物語に浸っていればよいというのは娯楽作品として評価すべきだと思う。
 ただ、この作品独自のメッセージ性ってのはちょっと薄いかな?。貴族というか人の上に立つものとしての振る舞い、心構えなんてのが一つ。最後才人の自分を飾らないところあたりがそうなんじゃないかとも思うが、どうしても周囲に叫んでまわりたいほどの熱意があるようでもないし、かといってそういうものが必要だとも思えない。そこらへんの距離感というか、あくまで娯楽作品としての完成度を目指したうえでのバランスを考えると、適切だと思う。
 個人的な評価としては、時間潰し以上の力量はあると思う。どうしても自分の視聴態度がなんらかのメッセージ性なんてものを少しは求めてしまうので、そこらへん過剰に求めすぎなんだと思う。世間的に人気だから抑えておくか程度の視聴態度だったし、視聴してしまった今でも見て無駄だったとも思わないんだけど、思わぬ拾い物をしたという感じでもない。うまくできている、完成度は高いと思うんだけど、訴求度は自分にとっては低いかな。まぁ自分がこの作品が主張していることをどのくらい汲み取っているかはわかんないんですけどね。おもろ。