Pumpkin Scissors 第22話「孤独な天秤」

 つくづく死人はださないのね。
 各所で間延びと言われておりますが、まぁそうではありますな。原作から類推されるメッセージをあまり改変するわけにもいかんだろうし、むやみやたらと余計なものを入れるわけにもいかんのだろう。ポイントはいくつかあって、貴族とは?という命題と、エリス@渡辺明乃の発言が大きかったかな。しかし、まぁこの作品も痛烈な現政権批判なんだろうが、天秤というのは司法の比喩でもあるので、現時点での裁判制度が全く利権層の権力装置としてしか働いていないさまを皮肉ってもいるんだろうか?。あの世界では法律があるという風に見えたので、立憲君主制ぐらいだとおもう。アリスを天秤に喩えるってのは結局裁判所が役に立ってないという意味だろうと思うのだ。ほら、金と権力ですぐ娑婆に出てくるってのは司法があの世界でも腐っていて信用されてないってことだろ。
 伍長の主張はなんだかなぁという感じかな。彼なりの成長を示すとかという意味ではよくできているとは思うんだが、周囲に認知されていない貴族同士の決闘ってのが、もうすでに茶番でしかないので、どうにも当人たちはなにか頭に血が上って勘違いというか場違いなことに気が付いていない…もしくは気が付いていないフリをしているという風に見えてしょうがない。一歩間違えば、「およびでない」状態。暴動側も頭に血が上っていてまったく合理性のかけらも無いし、汚職貴族もわけわかめ状態。どうなんだろうね、物語の進行上、アリス側が負けるということは絶対に無いと視聴者の誰もが思っているのではあるが、汚職貴族の末路はほらあれか、前エピソードのように誰かに消されてしゅーりょーってとこなんですかね?。この流れだと秘密結社の仮面の男が下手人って感じですが。で暴動民衆も殺されるにせよされないにせよ、権力側に処分されるってのも想像してしまいますが。また別の汚職貴族が神輿に立てられて、権力層が下のものを搾取する構造は依然として強いまゝエンド。
 他のサイトさんの感想を読んでいたので、どうにも後ろ向きな視聴をしてしまっていたのですが、どうなんだろう?。まんま権力批判だし、堅苦しいのはわかっているんだけど、間延びの件といい、かといって豊富な時間を利用して視聴者にじっくり考えさせるような構成かといえば微妙な感じもする。どうにも「スタッフには視聴者に至れり尽せりであって欲しい」病にかゝっているんだろうな?と自分を反省するところもあって複雑な気分ではある。
 エリスの通せんぼの手はちょっと案山子みたいでアレだったが、アリスの筋骨隆々であってしかも女の身体でもあるって肉体表現はよくできていた。ともすればなよなよした描写で萌え表現をしてしまうんだよね〜。