ロケットガール 第1話「ディスティニィ -destiny-」

 中華料理店では日本人の女子宇宙飛行士候補生がバイトしているのかと思ったよ。
 脚本は原作者ではありませんでした。Jaxaが女子中高生にターゲットを絞って宇宙開発の宣伝をしているので、下心はそこらへんに対するアピールもあるのだろう。だから脚本には女の子の心情をわかるものとでも言いたげに女性を起用したのかな?。これでもいろんなものを詰め込んではいるんだろうが、ポイントをはっきりさせるためかあまりごちゃごちゃしていない。ソロモンの実態を知らないのだが、現地文化と華僑など(イスラムを捜したんだけど目にとまらなかった)東南アジアテイストが描かれていたのはなるほど。原作者はボルネオに旅行していたりするので、その経験が生きているのかも。
 ロケット開発の現場をわかりやすく描くためにこれまた簡素化しているんだけど、私としてはもっとごちゃごちゃして欲しかったような気はする。打ち上げ失敗が5〜6っ回ってのはどうなんだろうな?。爆発といえば、エンジンの継続燃焼実験をやってないでもなかろうし、物語の導入要素というのはわかるんだけど、実際の宇宙開発事業団も負けず劣らず失敗しているので笑えない。
 主人公が女子高生ってのはまぁわかるんだけど、やはり–ìK•ø‰îƒŠƒtƒ@ƒŒƒ“ƒXEƒ}ƒjƒ ƒAƒ‹に過去存在していたパイロットフィルムの映像のねーちゃんのほうが自分にはしっくりくる。コギャル風なのはどうもね。芯はしっかりしていないと、とにかく宇宙飛行士は話にもあったように20Gの苛酷な環境で、正確な判断・操作が冷静にできなきゃなんないからあの造形でいいのか不安ではある。20Gの実験風景では目が血走っていたが、そもそも感覚が麻痺(それでも訓練で慣れなきゃなんないんだが)しつつ、脳の血液が偏在するため、肉体的にしっかりしていないと正常な判断がそもそもできないという、日常からは全く想像もできない環境なのだ。一人暮らしでてきぱきとこなしたり、ソロモンまで一人旅ができるってことで確かに描写もされているし、いまどき根が真面目な主人公なんてウけないから、キャラ原の判断は妥当ではあるんだけどねぇ…。学園長の隣にいた弱々しいねーちゃんも大丈夫か?と思わんでもない。でもその意外性が物語に躍動性を与えるんだとは思う。
 視聴直後でいろいろ考えながら感想を書いていると、そもそも現実ではおかしいことが思い浮かんでくるんだけど、見ている最中は普通に楽しんでました。そもそも今期一番の期待作ということで、かなり好意的に視聴しているという影響もあるとは思いますが。さっきも触れたように、中高生女子に向けての情宣って意味もあろうから、それを念頭におくと及第点に近いとは思う。たぶんターゲット層はヲタク臭を感じてしまうんだろうけど。スタジオファンタジアでないから安心ってわけでもないんだよね。かといって文学少女向けというわけにもいかんし難しいところだろう。苦笑を覚悟でやはりのだめカンタービレぐらいのレベルにしないとターゲット層の数を拾えないんじゃないか?。
 まぁ原作が再版されるぐらいだから(アニメ化に伴うメディアの販売活動と言う面が大きかろうが)、初回を見て判断するに、よっぽどのことがない限り質は確保されていると思う。感想もあまり物語の進行を追いかけるというよりは、作品視聴中に思い浮かんだいろんなテーマを題材にあれこれ雑談を書き散らしていく形になろうかと思います。