キャッツ・アイ 第9話 とってもおかしな大追跡

 '80年代的予定調和?。
 まぁ荒唐無稽なのはもう慣れてしまったのだけど、そういうのを吹き飛ばすほどしんみりした。
 デートで待たされた男がトイレに行くことにプンスカの瞳も大概わがまゝだなぁとも思ったのだが、エレベーター内での振舞いは世話女房って感じで和んだ。エレベーターの天井によじ登る女も女だよなぁ。
 俊の思いつきもなんだかなぁと思った。しかし思いつきだからこそこの作品の肝である俊が知らず知らずのうちにキャッツに捜査情報を漏らすという点については、うまく秘匿することになっている。この勝負の結末では絵を守りきったということになるのだが、そうでなくとも別に課長は俊を辞めさせるつもりなんて毛頭なかった(今までもそういう流れだったし)であろうし、割と戯画的に誇張されていて面食らうのではあるが、課長の上司っぷりも微笑ましい。やれ出世がどうの責任問題がどうのとか口走りながらも、部下からの提案どおりにやらせてみたり、道路封鎖で部下の支援を試みたりと結構上司としての仕事をしているように感じた。課長が薬を飲んでいる描写があったから、怒鳴り散らすキャラはむしろ演じているのかとも思えて侮れない。俊が絵を持ち去るときに、周囲の警官達から喝采を受けるのもすごく微笑ましかった。
 俊が瞳のことでのろけるところでじんわりきたが、人情モノとしては全体的によく出来ていたんじゃないかと思う。