ARIA The NATURAL 第20話「その 影のない招くものは…」

 まぁ猫噺は好きではないのだけれど。
 なんか今回はあんまりいやな感じは受けなかった。灯里がいなくなってアリシアが心配になって探しにいっていたということから、灯里の不思議体験は彼女自身だけのヨタ話にはとどまっていないのでメタなおはなしなんだろうかと色々考えてみた。単純にひとさらいのお話なんで、灯里のけなげさに触れている人*1が人知れず彼女を助けるってお話かな?。情けは人の為ならずの本来の用法であるところの、人に親切にするとまわりまわって自分に返ってくるということなんじゃなかろうかと。まぁ抽象的だと物心のつかない子供にはわかりにくいだろうから、民話とか神話、説話などの形で伝えてきたあり方そのものかな。いい子にしてないと悪い人にさらわれてしまうよと、親が子供をしつけるときのやり方とまぁ変わんないというか。冒頭に灯里がアリア社長に言い聞かせている姿がちょうど主客逆転しているということで、話的にも技巧は凝らしているんだろうか?。まぁそんなに小難しく考える回でもないとは思いますが。
 背景とか色使いはとてもよかった。こういう話だとそういうディテールが重要なんでいい仕事をしていると思います。一部実写取り込みと思われる建物描写があったんだけど違和感がなかった。むしろ人物のアニメ絵のほうが落ち着きがないくらいに感じます。原作だといい具合に人物絵と背景がマッチしてるんだけどね。

*1:誰でもいいんだけど誰でもない、代表としてケットシーが使われているだけ。