GUN道MUSASHI

 甘噛みさんところで紹介があったので、切るのを前提にGyaOで視聴してみた。
 端的に言ってしまえば和風ルパン三世かなといった印象。五右衛門が主人公に同化してしまったから主人公グループが三人から二人に。近年ジャパニーズアニメで外貨を稼ごうと政府にとっては虫のいい尻馬乗りが散見されるのですが、海外向け、ぶっちゃけ言えば米国向けのような気がしてならない。アメリカ人のアニオタが「どうせアメリカ人なんてニンジャサムライが好きなんだからこの程度のもんを見せておけば十分だろ」というものを見せられて不快に思わないのか、プロデューサーの頭の中はどうなってんのか見てみたい気が。まぁ向こうで当たったりするのかもしれませんが。
 あの当時日本にフリントロックガンがあった筈も無く、しかも銃はことごとく先込め式であったはずなので、荒唐無稽なのは承知の上でやっているんだろう。頭の良いアメリカ人ならともかく、頭の悪いアメリカ人対策用として歴史をわざと改竄することによって「この作品は架空の物語であり、実在の人物を誹謗中傷するつもりは云々…」をやっていることはわかる。引き金を引くタイミングにあわせて弾をよけようとする動作はまさにアメリカ人好み(日本人がそれを嫌いだと言うつもりもありませんが)だし、次回予告で写真に効果をかけて日本の(伝統性の高い)風景を見せようとしていることから、少ない予算でいかに米国人受けする作品を作ることが出来るかに注力しているように思えます。スタッフは作品が誰向けに作られているのかを十分に汲み取って仕事をしているように感じます。
 日本人としては、むしろ自分たち向けに作られていないのを不満に思うのではなく、米国人向けに作られた本作のどの部分が奴らにウケ、どの部分がウケないのかを楽しみたいところです。狙って作ったはずなのに外してしまったり、狙ったわけでもないのになぜか受けてしまったとかの部分がわかれば面白いんですが、そもそもこの作品が私の読みどおりアメリカで放映されるのかどうかもわかりませんし、放映されたとしてその評判が日本に届くのか…というよりは私に把握できるところに落ちてくるのかを考えると、叶わぬ思いなのでありまして。
 作品自体の出来ですが、作画に期待するものでもなく、かといって複雑に織り成す人間模様とかドラマも期待できない。単純にミッション達成型になっていると思うので、どんでん返しなどは少しぐらいしか用意されていないと思われます。そう考えると流し見で視聴するのが正しい態度であるような出来かな。私なんかは開始早々この作品が米国向けと思い込んでしまったので、そういう視点で見るとあまり退屈はしませんでした。そうでもしないとやってられないってのが正直なところかな。

追記 なんかまとめサイトみたいなものを見つけた。青年社長MUSASHIのまとめブログ。なるほど。