ARIA The ANIMATION 第9話「その 星のような妖精は…」

 やっぱりこれぐらいでないとAriaじゃないなぁ。
 サブタイトルの露出がOP前にあったのと、OP中に台詞をかぶせなかったのが気になりました。今まで本筋ではそんなことが無かったのに何か意図でもあるのかちょっと読めない。
 藍華に訓練の方向性を見失わせて、すぐには答えを与えず目いっぱい我慢させた後、オトすという構成。藍華をぎりぎりまで空回りさせるのですが、前回Aria社長を空回りさせるのと比べると理由のある描写でした。原作はまだチェックしていないのですが一話分の内容なんだろうか。一本にまとめるために苦労している跡がうかがえはするのですが。
 思いついた点をいくつか。30年もトッププリマに君臨しつづけることが物理的に可能なんだろうか?グランマがそれに値しない描写であったというつもりもないし、押し付けがましいほどグランマはすばらしいという描写をする必要もないと思うんですが、ああいうグランマだとかえってそういう呼ばれ方を嫌うのではないかと思ってみたり。あのグランマだけでなく素晴らしいウンディーネはいてもいいはずなんですが、うがった見方をするとウンディーネ界というのは層の薄い世界なんだろうかと思ってしまいます。どう見ても日本の田舎ですが、ヴェネチアを舞台にするのだったらイタリアの田舎でもいいと思うんですが、あえてそうした理由があるんだろうか。日本の山の生活はそれほど世界的に認知されていると思わないんだけど、そう思っているのは自分だけで本当は人気が高かったりするんだろうか。いや私も憧れてはいますが。
 駅にグランマが迎えに来ていたのですが、もしかすると家まで歩き?。朝から休みを貰って、迎えのあと栗拾いと芋掘り、晩飯と風呂のあと8時には寝たので時間的にぴったりだし、正に田舎暮らしが自然に描写されていてなるほどと感じました。電気を使わない生活を指向しているはずなので早寝早起きは適切な描写。風呂シーンは余計な描写かなと思いかけたのですが、会話をグランマに聞かせるとは粋な描写だったかも。アリスに星空の明るさを障子越しに気付かせるのは正直ありえない。初めは月明かりに気付かせたのかと思ってしまいましたよ。ただ、後々の会話の導入としては必要なきっかけではありました。
 もし縁側で星空を眺めることが無かったら後のグランマのお話が得られないまゝ3人は帰ったのか?と気にはなりますが、きれいにまとまりました。グランマのアリシアに対しての暖かい指導が想起され、また物腰がそれっぽくてほろりときましたよ。今回の訪問時にアリシアがグランマにどういうことを伝えたのかに思いを至らせると、アリシア自身の気遣いだけでなく、それを聞いたグランマが3人にどういう気を遣ってああいう助言に繋がったのかにも思いは広がって、はたまた心は和むのですよ。