涼風 第19話「別離」

 なるほど。自分の読みが当たっている確信は無いんだけど、そういうことか。
 まず萌果ちゃんとの別れ確定までのお話なんですが、ヤスノブのいうことももっともなんだけど、振り回されていたのは実は大和くんであり、「(この)女の考えていることはワケわかんねぇ」となっても何ら不思議無いことに気をつけてください。そもそも大和くんが涼風に惹かれているのを知りながら*1それでも大和くんとカップルになりたいと涼風に宣言して*2まで奪い取ったのは萌果ちゃんでしょう。いくらこのまゝ付き合っていても同じ事の繰り返しであると看破した*3としても、念願のカップルになりながら大和くんの心を繋ぎとめる努力が足りないという気がする。むしろ流されているにしたって萌果ちゃんのために暗中模索していた大和くんのほうが努力をしていたように思います。まぁ努力じゃないんだけどね。ただ、まだまだ大和くんは主体性を獲得していない段階なので、実は萌果ちゃんにその気があれば自分に惹き付けておきつつ自分好みの男に教育していくことで身も心も自分のモノにできるんですけどねぇ。ま、そういう流れにするならこの作品のタイトルは「萌果」になってしまいますが。
 前回の感想で触れた涼風の罵倒ですが、やっぱり含意はありました。そもそも序盤で大和くんを待ち伏せして、いかにも大和くんのために「がんばって話し掛けてくれたらうれしいよ」と仲を取り持つ振りをしてみたりして実は大和くんの役に立とうとしている自分を見て!みたいなところとかニヤニヤしながら見てましたよ。早乙女との話を耳にしたからといって大和くんの部屋に転がり込むところとかキタキタとかおもいましたよ。「あやまってもゆるしてもらえなかったの?」と萌果の狭量さをクローズアップしてみたり、「私のせいなの?」と萌果と違ってあやまちを認めるいい子なんだとしおらしくなってみたり、このオンナ本格的に大和くんを咥えこもうとしてるよ!とか思ってみてました。いろいろ可能性もあるんだけど、「最低!」の罵倒には、大和くんがわざと悪ぶって見せ、涼風を傷つけない*4配慮を見せたのが嬉しいという気持ちが込められていると感じました。その部分だけ大和くんの目を見て言っていないし(という描写にしているとしか思えない)。「あんなやつのために一生懸命になっていたなんてバカみたい」の台詞も自分に言い聞かせるというなんとはない描写なんですが、気を付けて見てみると本気で言っていない描写のように思え*5ます。うーん、たった一つの台詞でこんなにいろいろ考えさ(楽しま)せてくれるなんて素晴らしい。
 で、次回から羽柴のアタックか?。大和くんは朴念仁のようですが。まぁ直後なんで精神的にそれどころではないでしょう。羽柴になびかない様子を確認するからこそ涼風も安心して大和くんに喰いつけるって事で。それぐらいが話数的にも丁度いいかも。しかしそこまで苦労して大和くんにくっつこうとする涼風も後々苦労するよなぁと思ってしまいます。たぶんこの作品を視聴している全員が納得すると思うんですが、大和くん本当にバカだよ。

*1:第8話参照

*2:第12話参照

*3:だからむしろ泥沼になる前に早めに損切りした可能性は否定できない

*4:萌果の回想シーンがあるし

*5:たぶん涼風は大和くんが涼風が好きで萌果ちゃんと別れたという確信が持てなかったに違いない、(そりゃそうだ。大和くんの頭に恋愛対象として涼風のことは入っていなかったのだから)だからこの台詞になったのではないかと推察。この言葉からはいろんなことが考えられるので正直特定するのは難しい、というより特定する必要もない