格闘美神 武龍 第5話「世界は二人のために」

 実はこれも一部のサイト感想を目にしてしまっており、「前回の熱いプロレス論はどこへいったんだ?」という記述に不安になっておりました。いや、結果から言うと初めから最後まで画面に釘付け。ここ最近で視聴途中で姿勢を正してまでみた回はこれぐらいという出来。
 とにかくストーリーの転がし方がなるほどです。視聴者の予測を誘導して裏切るところなんぞ感嘆の声が思わず出て(これは本当に出た)しまいました。キャラクター配置が絶妙だよね。蘭が出場するときのユンボの描写、蘭の抑制が効かなくなったときのストッパーとしてのユンボの出し方なんぞ、うまいとしか思えません。下田の心境の変化も清々しいし、めぐみのクローズアップも前回からの積み上げが効いています。春楊もさりげなく好敵手に変身しているし。新聞記者(誰だか名前を確認してみようと思って公式を見てみたんですが、キャラクター紹介すらない取り扱いで脱力感最大)の感動も納得だし、最後の「蘭ちゃんはもううちらの家族やさかい」という発言も納得できる流れでした。気が付いてみるとやる気のなかった主人公も前向きモード満開。
 第3話までの自分の感想を見てみると、あまり期待していない臭いがぷんぷんの記述。実際最初は陳腐さが目について視聴に気合が入っていなかったのは事実です。これからも質の良い回が続くとも限らない(今までの出来が出来だったから、前回今回との優秀ぶりにびっくりしたという部分は大いにあると思います)んですが、山崎和佳奈も良い役もらったね!という感じですか。原作もこんな流れなの?。
 多分ストーリー技法やメッセージ性として目新しいものは無いのかもしれませんが、萌えを重視したり奇をてらったりする割にはストーリーが全く練れていない作品よりはるかにしっかりした作りだと思います。娯楽物として賛辞を送りたい気分です。