涼風 第11話「勝負」

 ギャハハハ。こいつらそろいに揃ってバカばっかし。
 と書いてみましたが、非常に楽しませてもらった回でした。よく言っていると思うのですが、ラブコメとしてはありがちな展開をつなぎ合わせているのですが、そう、なんといったら良いのか、バランスが絶妙なんですわ。私だけかもしれませんが。
 実力派スプリンター有馬くんの怒りはもっともで、バカ2人には弁解の余地も無いんですが、有馬自身にも理不尽さを漂わせることでバカ者どうしの良くある風景に仕立てあげたのは場が明るくなって楽しめました。まぁ全体を通してもそうですが、ヤスノブの動かし方がうまいのであとくされがありません。
 マネジャーの萌果ちゃんにも、大和くんに近づかなかった理由を説明させてました。しかし萌果ちゃんの健気さがただでさえ痛々しいのに、先週のマガジンを読んでいるだけにさらになんだかなぁ。次回は萌果ちゃんの一大イベントです。
 試合中は細かなツッコミを入れながら、大笑いで見てました。2位でもタイム次第で決勝にいけるといっていた先輩が必死で有馬についていっている大和くんに早くも諦めムードだったこととか、10秒ほどで走りきってしまうのに何秒かけて描写しているんだ!とか。いやいやこれも作劇手法なのでツッコミを入れること自体が間違っているとはわかっていますよ。実はここらへん原作を読んでいないので大和くんに安直に勝たせない展開は感心しました。ここで勝たせてライバルのインフレ状態にしてしまっては掲載誌が違ってきますもんね。
 試合後の二人のやり取りは正直惹きこまれました。大和くんが説明口調なのはいつものことなんですが、これまたいつもと同じように涼風には心情を吐露させないというバックボーンの元、涼風の思わせぶりな台詞と、女心というよりは人の心全般がわからない朴念仁の大和くんの微妙なすれ違いがなんとも微笑ましい描写でした。前回の次回予告*1、何を言っているのか意図が良くわかりませんでしたが、まさに今話の山場を表すところだったんですね。こうやって劇中で使われると今話だけでなく、涼風と大和くんの2人の関係を象徴する台詞のように思えてきます。

*1: