第2話「トラファルガー・クライシス」内容

 OP有り。最初は政治的な背景とかの状況説明をしています。登場人物紹介も周辺を少しずつ埋めていってます。人物劇をやってから戦闘シーンへと感情を煽っていく構造は基本的に第1話と同じ。
 キスカとリオの密談なんですがこれが曲者です。誰かの指示に従って陰謀に巻き込もうとしているのが見て取れるわけですが、これを踏まえた上でまた第1話を見てください。そういや、本職がいなくなったあとの候補生達の議論なんですが、発言者がほぼキスカとリオだけなんですね。キスカ達が扇動しちゃっているというか誘導しちゃっているというか、大きな声を出している人間の言っている方向に全体が流されちゃっているわけです。いや、彼らの言う「あの人」の指示があの時点で出ていたのかいまいち不明なわけですが。まぁ、前に言っていた何気ないこと・普通なら流してしまってることが実は伏線だったということがこの作品にはあるようで。展開が早いので隅から隅までチェックしていられないというのが油断できないところでしょうか。細かく張り巡らされた伏線をチェックするのならぜひDVDでも買ってじっくり味わってくれというのも商売としてアリかなと思わんでもないです。単純な筋しかなくて、一度見たらあとは繰り返してまで見る必要のない作品ならばDVDを買うのは無駄でしかないわけなので。とにかく、先を見ちゃったらその伏線が前にあったと後から気づくことが多いのでなるべく先を見ないで感想を書いているわけです。下手をすると伏線だらけかもしれないですよ。
 トラファルガーからの申し込みをみると、結構紳士的というか騎士道的なものを感じます。やはり私もこの作品に潜水艦戦のようなイメージを持つのですが、この段階ではむしろドイツの水上艦艇単艦による通商破壊戦を思い浮かべてしまいます。シュペー号の最後とかエムデン号最後の航海とか。うぅ〜、これらになぞらえるのは縁起が悪いですけど。今回も敵の顔は見えません。まだまだ味方の紹介でてんてこ舞いです。
 戦闘中のアマテラスの行動については第1話と同じように議論が行われています。単純な戦闘が前回行われているので、今回はさらに進んでアマテラスの兵装が紹介されます。戦闘を通じて乗組員の死が提示されます。主人公たちに活力を与えるのなら人死になど見せずに勝利の連続でテンポをつけるのですが、主人公たちの状況が楽天的ではないことを示すためにあえて見せているようです。擁護集のサイトによると原作と違っているらしいです。原作を読んでいない私にとっては、改変が気になることはありませんでした。
 「宇宙葬は絵になる」とは残酷な言葉ですが、視聴者への問いかけと考えて反証を試みたところで、あったほうが確かに絵になるという事実に口を閉ざさざるを得ません。こんな人の死を見世物にしてしまう残酷なスターシップチャンネルを見て喜ぶ人は誰なの?シノン達の都合など考えずただひたすらにテレビ局の都合にあわせることを強制するのは誰なの?探してみてもそれは作品中に描かれてはいないわけです。そして今この時間にこの残酷なシーンを見てさまざまな感情を突き動かされてしまっているのは誰なの?と考えてみると…。もしこれ以降も当事者以外の視聴者がかたくなに描かれないのであれば、それが誰なのかは明らかでしょう。