エスカ&ロジーのアトリエ 第5話

 だから錬金術でわざわざ料理しなくても。
 なぜか「できる」新人がどシロートだったというお話。新人のルシルが世界中の病気を根絶したいという夢を持っており、流行り病の予防薬を作ろうとするんだけど、力不足でエスカたちに頼るべしという流れ。コンペの結果、ルシルの調合薬が採用されるのだけども、採用したのはルシルの実家という、なんて身内贔屓という構造がなんとも水を差すというか。
 しかし、まぁそういう穿った考えを取り除けば、ヘンな話、公的機関が競って開発を行い、民間は流通を取り仕切るという構造が面白い。合衆国では莫大な開発費を投資して副作用上等!な薬を開発して、しかも投資額を回収するために薬や治療費が高騰しすぎて貧乏人お断りの世界になってしまってるからなぁ。で、日本などの合衆国以外の国では合衆国においつけなくて、製薬にしても投資するだけのリターンが見込めないから、大した薬はできないらしいしね。ある意味、投資額に制限をかけて公平なルールで開発競争をするという環境をこの作品が提言しているのなら、それはそれでまっとうではある。
 あと、今回の話でもう一つオモロイのは、エスカ母が病気で亡くなっており、死を悼んでいるんだけど、決してルシルの病気を根絶するという考えに手放しで賛成させていないし、作品としても病気を治療する行為(努力)は素晴らしいけど、根絶するまで頑張れという態度には見えないこと。ルシルが疲労で倒れて医者の不養生を示していることからも明らかなんだけど、そういうバランス感覚がなかなか侮れない。