翠星のガルガンティア 第10話

 狡兎死して走狗烹らるじゃ困るからお互い殺しあえってか。
 ヒディアズとの戦闘が、種としての同士討ちであるという事実に打ちひしがれる間もなく、チェインバーには戦えと言われるの巻。いよいよ単純な視点の対置ではなく、いろんな立場の交錯に入った模様。銀河同盟とヒディアズとの戦いを冷静に判断してもなお、チェインバーは道具としての用途がなくなると存在意義がなくなるので戦うべきというのだが、なんのかんの理屈をつけてそれは必要だから買えという押し売り営業にも近いものがあるなぁ。軍所属の兵器だから、命令系統はおそらく厳密に作ってありそうだけど、ロボット三原則はインストールされていなさそう。自律した推論能力を持つ人工知能が果たして今回のような結論を導くのかどうかわかんないが、そうではなく、チェインバーもまた人間の種の一つと考えればきわめて自然な話になるのが恐ろしい。話の根拠として文明の、技術の粋を尽くされた結果がチェインバーであるという敬意の示し方がもうなんというか、さすが物語といったところ。
 なんかあっという間にそういう構造の埒外に追いやられたエイミーサイドが今のところ見る影もないが、それを気にする間もなくさらに擾乱要因が増えて混乱の予感。誘導の方向が適切かどうかはともかく、その混乱自体が沸き立つように面白くなってきた模様。