今週のいきいきホットラインは

 なんか理科離れ促進週間みたい。本当は理科好きを増やすつもりなんだろうが、そもそも文系という名の似非文系が技術を特権階級への利益誘導にしか使っていなくて、技術屋は下働きだけやらされて報酬もすずめの涙とくりゃぁ、魅力があったとしても飛び込むわけにもいかんだろう。
 今の日本、仕組みを理解しなくとも、消費者は神様という面をしてごねりゃ、何でも通る時代。物事の理屈を理解するより、どうやってゴねたほうが自分の得になるかという方向性なんで、まぁ騙されたい人は勝手に騙されてくださいとしか。ゲストたちの発言も、報われないやるせなさとか、どうにもならない現状を他人のせいにしたそうな色がプンプン臭っていて、悲哀を感じるというか。
 こんなやくたいもない宣伝なんかしなくとも、技術を喰い物にして私腹を肥やしている輩を即刻排除して権力を持たせないようにするか、理屈や道理をすっ飛ばして、ごね得を狙う輩を相手にしないようなシステムになりゃ、三百代言尽くさずとも自然によくなるんだわさ。別に人文科学が得意でもないのに、数理系が苦手だからといって文系に逃げた奴らをのさばらせておくからダメなんで。
 というか、人文・社会科学を極めた本物の文系の人間にとても失礼ではないかと思うのだが。技術の裏付けも重要ではあるが、正直者がバカを見ないシステム作りとか、それこそ物質に頼らない、デザインだのテキストだのソフトウェアだので利益をあげられる文系のほうが、文字通りの錬金術師だったりするんでなぁ。
 中国はなにしろ人口が多く、科学技術の発展・教育の充実を改革開放のときからやっていて、韓国は日本より過度の学歴社会・受験競争時代に突入しているんで、ゆとり教育で10年、その前の個性重視の教育で10年の計20年を国民をバカにする教育でダメにしてしまっているんで、技術の蓄積はあるにせよ、もう大陸・半島に対して勢いでは追いつけない段階に入っているのでは?と思う。まだ生きる力だのいっているしな。特に末端の国民の教育レベルが格段に落ちている可能性があり、装置の操作方法すらわからない国民を作り出しているのであれば、もう技術大国として30年遅れになってしまっているということになる。
 教育を考えるのなら2〜3歳ぐらいからの接し方で勝負が決まる。彼らが成長して20代前半かそこらになった段階ではまだ末端でしかなく、知識を生かすことが出来ない。創意工夫が現実に取り入れられるのは彼らが30代になってからのことで、そうなったとしても最短30年かゝるということになる。実際には効果が現れるまでにもうちょっと時間がかゝるわけだ。その時に彼らの創意工夫を実践出来る土台(資本力)が日本になければ、いくら教育が成功したってダメだし、その時には他の国がもっと先を行っているかもしれない。国民全体の総意で2〜30年かゝるわけで、モンスターペアレンツが自分たちの責任を学校に押し付けている現状では、どうやったって無理だわな。科学技術というより前に、教育システム自体が壊れてしまっている。
 まだまだ日本には蓄積があるといえばあるのだが、大企業が残っても、それを支える中小企業群の倒産件数が増大している現在、空洞化した産業が本格的に落盤事故を起こして崩壊するのは時間の問題。戦闘機の開発でも、総合的性能が強みのアメリカ・ヨーロッパの開発力、空力性能のロシアの開発力(インドが共同開発)、そして後追いではあるが自国開発を達成した中国の4ブロックと比較すると、日本が相場の3倍払ってアメリカの戦闘機を買わされ、国産の開発力を削がれてしまっているわけで、大きく立ち遅れているといわざるを得ない。ガンダムOOではないが、世界が3〜4ブロックに分かれて、その中に日本は入れてもらえない…よくてアジアブロックの牽制にアメリカの前線基地としての役割を持たされるだけ って今既にそうじゃんと…ということになる。
 '80年台の中曾根内閣時に半導体摩擦でアメリカに日本市場を売ったことや国内電機メーカーでの潰しあいをした時点でもう日本の行く末は決まっていたといえる。いくら安倍が戦後レジームの脱却といって、戦前の軍官財が癒着していたアンシャンレジームの時代への復古を願った所で、むしろ日本の技術力は低下するのみだし、彼の強行採決した政策群はむしろ日本の破滅の加速度を増しただけといえる。戦中の強制的な軍需工場への徴用がどれだけ生産性やモラル、製品の信頼性を低下させたのか、彼は今まで学習したことがあるのだろうか?。愛国心では技術力や理科への期待度は上がらないんだよ…。
 湯川秀樹

5、6歳の頃母方の祖父・駒橘より漢籍素読を習った。湯川は自伝に「私はこのころの漢籍素読を決してむだだったとは思わない。…意味もわからずに入っていった漢籍が大きな収穫をもたらしている。その後大人の書物をよみ出す時に文字に対する抵抗は全くなかった。漢字に慣れていたからであろう。慣れるということは恐ろしいことだ。ただ祖父の声につれて復唱するだけで、知らずしらず漢字に親しみその後の読書を容易にしてくれたのは事実である。」と記している。

 理系のみの頭でっかちでもダメなんスよ。福沢諭吉実学だけやってればいいとかいってたが、それが目先の成果だけを求める小泉・竹中の思想の根幹になったわけだしな。究極の生産性、つまり少ないコストで最大の成果をあげる基本は、自分は仕事しないでひとの成果を横取りすることだ。まさに特権階級が産業振興のための話など一切せず、法律や税制をいじくって他人の懐から抜き取って自分の私腹を肥やすという最も効率的な方法を使っているではないか。
 優れた文系は概略だけでも素粒子物理学を理解しているもんだし、優れた理系は古典の素養があったりするわけで、文系・理系の二元論は危なっかしいというか。これだけ国際化社会になったわけだし、文系理系関係なく国際情勢に敏感にならなくちゃな。それも媚米べったりとか、アジアだけとか地域ブロックだけでなく、資源分布・宗教ブロック・経済圏と、国家を複数の視点で捉える力がないと、日本国内だけで足の引っ張り合いをしてたってすっ転ぶだけだよ…。