FLAG 最終話 光の中へ

 余韻はなかなかですなぁ。
 こうやって終わってみると、スタッフが何を言いたいのかぼんやり見えてくるような気はします。散々戦闘の拙さは言及してきましたが、主題はロボットではないのでそこに目を取られると本質を見失うのでしょう。ただ、将来のテロ制圧兵器がロボット形式になる可能性はあるので、そういう意味でのリアリティはないとは言えないかな。
 結末の一つとして、平和になりました…ってのがあるんだけど、なんだかとってつけた感じは拭えない。以前見知らぬ土地の見知らぬ権力闘争について描写したって視聴者はついてこれないって書いたと思うんだけど、終わってみるとそんなに視聴者をバカにした話でもなくって、主題を報道に傾斜させている以上、極力無駄なものは削ぎ落としたと考えるほうが適切のような気がする。ずっとラ・ポー側の理屈を描かないのはなぜか疑問に思ってもいて、それだけでなく物足りなくも思っていたんですが、それを描いちゃうとキリがないというか、スタッフが目指しているものと別のものになるということなんだろう。ラ・ポー側にも理はあるというほのめかしは、注意してみていると必ずしも見つからないというわけでもないんだわさ。
 あと、批判要素も盛り込まれているんだけど、これもこの作品は現状社会に蔓延する世も末的なことにダメだしする作品ではないので、この作品特有の手法で紹介されているにとどまってます。ロードマップという言葉も多用されてますが、これもかなり権力層のやり方についての警鐘(というのとはちょっと違うのではありますが)みたいにもなっていて考えさせられるものがあります。全部ではない(まぁ自分が全部見つけられないってことなんだろうが)けど、違和感を感じることにはかなり理由付けがされている模様で、そこら辺わかる人は気付けよなみたいな作りなんだろう。スッキリというわけではないが、終わってみると思い当たるようなことがあったりする。ちょっとわかりにくいわな。
 というわけで、全体の見栄えからすると私が求めてやまない「一般人にも、それも幅広い年齢層に訴求力を持つ」アニメであることはまちがいないんだけど、小難しい作りなのと、「ロボットアニメかよ」と思う層もまだ多数いそうなので、現状おもろ+ということで。先ほどの話ではないが、もしロボット兵器が実用になるようなことがあれば評価はグンとあがるよ。名作−ぐらいでもいいんだけどなぁ。こういう作品はまず商業的な公共電波に乗ることがないだろうから、スタッフ・GyaOには大感謝です。
 まぁいろいろ触れたいことはあるんですが、どうにも自分が読み切れないバカなのか、この作品の狙いが最後のほうでようやっとわかるような作りでしたので、機会を逸してしまいました。また機会があればということになるんでしょうが、そういうときは訪れないでしょうね…。