この青空に約束を― 〜ようこそつぐみ寮へ〜 第7話「羽山海己(前編)」

 いい娘だと思っていたんだけど、ある意味かまってちゃんよりたちが悪いんじゃなかろうか?。
 これで美少女でなければ男としては迷惑なんだろうな。しかしみんなと一緒にいるということが彼女の行動原理の根本をなしていて、そのためなら何をも厭わないってのは納得もいくし、それはそれでやっぱりいい娘ではあるんだよな。しかも(そのことを指してのことかは分からないが)自分が弱いということを自覚していてでしゃばらないのは好感が持てる。ちょうど演歌に出てくる情の厚い女ってとこですかね。
 しかし、双方の親がそういう事情なのであれば、むしろ航と海己は抜群の相性とはいえないだろうか?。航はあつかましいぐらいに人に構うような性格だし、海己は自分のことを気にかけてくれるのなら全身全霊で尽くしてくれそうだし。航の祖父や海己の父も、航や海己に気を遣っているような素振りで、なにがなんでも許しませんっ!って態度でもなさそうだった。次回悲劇っぽい展開になるらしいが、航(もしくは海己)が正直であったならば避けられた問題ということだったりしないだろうか?。
 ちょっと展開がねっとりしすぎていたきらいはあったが、今までより絵に気合が入っていたようだし、違和感を感じる程度だった。高校生の海己が雷を怖がって航に抱きついたら、“お約束”とばかりに冒頭の一言ツッコミをしようと思っていたのだが、さすがにそれはなかった。わりと安易なお約束に頼らないよう努力はしているように見受けられる。いちおう次回に期待。
 今までの話について、どうも原作が劣化していたと述べていたサイトさんがあって、ゲームのほうに興味が湧いては来てます。エロ描写は要らないし、なによりゲームはテキストを流すのにマウスを大量にクリックするのが辛い。友人に勧められたニトロプラスの「ファントム」も、文庫版で満足してしまった私にはゲームというメディアはハードルが高いのですよ。